割引美人

妄想と事実を区別せず遠慮なく垂れ流し

ハマさんぽ

2011.05.14 Saturday[22:44] 散歩 - -

 良く分かりませんが、友人の経済学者が会いたがるので、相撲中継が観られねーじゃねーかと文句をつけつつ、横浜で会ってきました。合流してから、今日は何なのと訊いたらいや特に何もというお返事、そして本当に何もプランが無いらしいので、馬鹿野郎心配しちまっただろと思いながら、まあ散歩でもするか天気良いし、というわけで海まで散歩に行きました。カメラ持ってないと残念がる私を、経済学者は適当に受け流していました。
 そのときは往復数百メートルのつもりだったんです。

 横浜駅からそごうまで行き、スカイビルのあたりから地上へ。横浜キャッツを右手に、いまだ原っぱの広がる埋め立て地をてくてく行きました。みなとみらいのほうはもうすっかりビルだらけで私はあまり好きではありません。ランドマークタワーの出来る前の、だだっ広い雑草だらけのみなとみらいが好きでした。
 せっかくだから普段歩かないところを歩こうねと、横浜キャッツやら横浜BLIZTのほうへは行かず、ちょっと日陰の海沿いというかここはまだ川なのか、日産の裏あたりを進みますと、横浜港水上タクシーがありました。ちょっと暗い橋の下で、若い男性がチラシを渡してくれました。こちとら散歩のつもりなので船に乗っては目的が、というのと、そのときは水上バスだと勘違いしたので1000円とか1500円とか高すぎるだろと思ってしまいました。
 しかしその後よくよくチラシを見ると、タクシーでしたので、東口から赤レンガ倉庫まで1000円は普通のタクシーでも行かないからむしろ安いかも、と考えが変わりました。問題は、私は赤レンガ倉庫に用が無いことです。もっとも、ひとり1000円ですから、二人だったら同じ程度、三人だと割高、そんなところでしょうか。ちなみに電車が一番安いです。
 さて、ひとの良さそうなタクシー屋の男性に申し訳ないけど頭を下げて、またてくてく行きました。あれはねえ、場所が悪いと思うのよ。乗船場所ちょっと薄暗くてひとの気配が無さ過ぎます。ほんとにそごうのすぐ裏とか、スーパー文化堂の手前からとか乗れたら、結構便利だと思います。そんなことを思いながら進むと、何やら行き止まりが。さすが整備途中、この先はまだ完成していないようです。なんたらプロムナードと矢印付きの看板が出ているのにフェンスで仕切っていて赤いコーンが並んでいました。しょうがないのでゼロックスのほうへ斜面をジグザグとなっている歩道を登って行きました。ここは整備されていてとても奇麗です。上がりきると目の前は貨物の線路で、ちょうど石油のタンクが通り過ぎて行きました。
 でもやっぱり周りはフェンスと赤いコーンで、立ち入り禁止区域に入り込んだような後ろめたさを味わえます。キョロキョロしつつ、とりあえずフェンスをつかんでパフォーマンスをひとつ。
「みずしまー!」
 経済学者には呆れられました。

 富士ゼロックスR&Dスクエア、ここらへんで友人が「ああ、確かにカメラがあったほうが良いなあ」と言い始めました。お前さっきと態度違うぞ。そしてこのゼロックスの螺旋階段はあんまり面白くないうえに、「横浜駅」と「入口」が表記されて矢印があり、まるでここを上がればすぐ横浜駅ですよっぽい感じでした。マリノスタウンの前を通り過ぎ、臨港パーク入口交差点から山内埠頭へ。ここには横浜市中央卸売市場があります。埠頭へ渡る橋の途中に「神奈川区|西区」の新しくて奇麗な看板があり、周囲のおしゃれな街灯には「節電のため消灯しています」の張り紙がされていました。
 節電に関して、私と友人の意見はわりと一致しています。一言で表現すると、壮大な社会実験をやってしまえば? ですな。昼間の電力がアレならサマータイムと言わず国をあげて夜勤が通常ってことにしてみたらどうか、銀行が夜の9時から真夜中までとかなら一般的な企業はそれに合わせて夜勤するしか無いだろう、ATMは朝10時までで農作業や漁業は別になるが、サッカーや野球もナイター中止でなくて夜中2時開始なら余剰電力だからOK、昼間は日陰でみんな昼寝、月曜はノードライヤーデーとか輪番電子レンジタイムとかを作って自主的な参加を呼びかける、そんな妄想。要はオフピーク通勤みたいなもので、夏の昼間に冷房とその他で電力がヤバいなら、暑いのはたまらんから夏の昼間に冷房以外の電力をなるべく使わない仕組みを考えたらどうだという方向性です。
 妄想であって提案でもなんでもないから言いたい放題。今この瞬間は放射線よりよほど紫外線が気になる日差しだなー、未開発の原っぱにタンポポが見当たらないのは何故だろう? 潮風に弱いのかなとかなんとかまるで関係ない話題を交えながら。
 神奈川区へ入ると途端にゴミゴミした街並になりました。さすが神奈川区。第1次大学生時代が懐かしく思い出されます。新しいマンションがあるあたりは奇麗なんですが、明らかに古い建物が並んでいるあたりはほんとにひとが住んでいるのかと思ってしまう。疲れてきたのでそろそろ横浜駅に戻りたいなと思いながら進むと、神奈川公園に到着しました。このあたりが本家本元の「神奈川」なのでしょうか。
 疲れたと言いながら年甲斐も無くふたりでブランコでさんざん遊びました。言うまでもありませんが、周囲は親子連れや小学生の集団でいっぱいです。でもブランコは空いていたの。
「振り子の、こう、揺れってのは重さは関係あるんだっけ?」
「無いよー」
「じゃあなんできみとだんだんずれてくるんだろう」
「それはそれなりにお互いこいでるからでしょ」
「最初に一緒に始めれば、揺れの幅とか時間とかずっと同じはずなんだよね?」
「摩擦は無視出来るものとする?」
「そうそう」
「いやあ、風が心地良いねー」
「持つとこ変えれば揃うのかなあ」
「長さも無関係だったような」
「そうだっけ? あーまたずれてきた。揃ってないと会話が、声が聞こえにくくて困るなあ」
 そう言う彼は一度も止まったりせず、あんまり大きくずれる度に私が足を着いて調整していたのでした。
 公園には観たことの無い遊具がありまして、平行棒みたいなやつとか、足下に円盤があってそれでツイスト出来るようなやつとか、使い道がいまいち分からないのですが、またとりあえずパフォーマンスをひとつやっておきました。
 つまり、平行棒みたいなやつにちょっとジャンプして両脇で押さえるようにして乗っかり、棒を下からつかんで「モリスエ!」
「最後だけか」
 無茶言うな。

 公園を出てから、いい加減疲れたのでどっかのマンションのセットバック部分にあったベンチで一休み。このあたりの新しいマンションは、妙な形の建物が多く、屋上からはサンダーバードが出てきても驚きません。しかしなんでこう、ヨコハマポートサイドとかなんとか、横文字というかカタカナなんでしょう。横浜をヨコハマと表記するマンションが多いように感じます。地図をちらっと見た限りでは。
 いつまでも座っているわけにも行かないので、国道1号線、箱根駅伝コースに出て横浜駅まで戻りました。2時間もうろついていたことに驚き、暑いしなあ、と水分補給をして帰りました。私は相撲中継を観たかったので、夕方はダメと申し渡していたのです。まったく何の集まりだったのかわけが分かりませんが、まあまあ面白かったです。

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