割引美人

妄想と事実を区別せず遠慮なく垂れ流し

初債券

2011.05.01 Sunday[20:17] 非日常 - -

 ここ何年も応募していた、市債の購入権がやっと当たったので、先日半休を取って銀行へ行ってきました。もうすぐ休業になる会社をわざわざ休むっておかしいだろと思いつつ。結局地震特需でやたら忙しいのですけども。
 さて、地元密着型の市債ですから、いわゆる地方銀行でのお取り引きになります。しかし、私はゆうちょか都市銀行かネット専業しか口座を持っていませんので、新しく作ることになりました。

 銀行の、普段はまず間違いなく行かないご相談コーナーへ行きました。市債購入の方はこちら的な張り紙があり、それに従って奥へ。お得意様でも何でも無いのに奥に行くのはおどおどしてしまいます。別に何の相談をするわけでも無いのにご相談コーナーだし。どうぞどうぞとにこやかに迎えられましたが、その愛想の良さが申し訳ないけれど逆に気味が悪い。銀行→両替商→なんか悪そう、な時代劇思考です。
 席について、あれこれと説明を受けながら、次から次へと書類が出てくるのでひたすら書きました。
 なんで勤務先のことまで書かねばならないのか、ローンを組むわけでもないのに。10年も勤めていて情けない話ではありますが、勤務先の住所や郵便番号なんてちゃんと覚えていないので、書けと言われても困るのです。名刺持ってないし。ちょっとすみません……と断って、同僚にメールで確認しちゃいました。間違えて書いて、嘘ついたから無効とか言われたくないですから。
 あと、年収とか資産とか、そんなの把握してないもん。ものすごく考え込んじゃいました。「用意するもの」にそういうのちゃんと書いといてよね! と思いました。当選案内葉書と、ハンコさえあれば後は身一つでって……なのに新しい口座作るのにもお金がかかるのよ。債券購入用の資金以外は、小銭しか持ってないので100円だって痛かった。最初から持ち物の中に書いておいてくれれば良いのにほんとにもう。
 資産がどのくらいか、貯蓄が趣味のくせにあまり見ないようにしているのは、定期預金がこんだけある、と思っちゃうとイザというときにそれをあてにしてしまうので、私は貧乏私は貧乏私は貧乏100円だって急には出せない貧乏人と自らに言い聞かせるためです。眺めて楽しむ通帳はありますが、でないと達成感が味わえなくて挫折するので、その楽しむ用通帳にある程度以上貯まると別の口座にしてしまい、その後そっちはまったく見ません。無かったことにしてまた貯めるのです。だから本当にどのくらいあるのか把握していません。案外少なかったらどうしよう。お墓は、現在檀家になっているお寺に永代供養を頼んでそれっきりにしてしまおうとは思っているのですが、30年後の物価とか生活様式とか分からないもの。あー、老後、心配。長生き困る。

 そんなことを思いながら、行員の言いなりになって書類書類。普段あんまり文字を書かないものですから、住所とか名前とか書いているだけで手が痛くなってきました。しかもパイプ椅子で長々座っているのも疲れる。いい加減うんざりしたところで、次の書類、気がつきました。
「あの、これ、日付のところ4桁ってことは、西暦ですよね?」
「あ、はい、こちらは西暦ですね」
「さっきまで全部元号だったのに」
「すみません」
 その女性に謝ってもらっても手間は変わらないのですけども、なんでこれ統一されていないの? 最後のアンケートみたいなやつでしっかり書いてやりました。混ざっていて自分たちは混乱したことが無いのでしょうか。併記ならまだしも、書類の日付の欄が2桁だったら元号、4桁だったら西暦と判断するなんて、高度過ぎて私には難しい。

 ここまでとにかく書類を書きまくって、やっとお金を実際に払うことになり、私にとっては大金な、月収×1.5くらいの札束を出そうとしたら、行員が「現金でよろしいですか」って。
「え、現金以外でも良いんですか」
「あ、いえ、あの、現金のみになります」
「なんだ、クレジットカードOKとかかと思いました」
「いえ、すみません、現金でお願いします」
 実際のところ、私のクレジットカードは10万円までにしているので(万が一他人に使われたときに被害が少ないかと思って限度額を下げているのだが無駄な努力だろうか)、じゃあクレジットカード払いでと言われても困るのですが。せっかく下げてきた現金はなんなんだ! とも思うし、1ヶ月経って急に大金が引き落とされていたらビビるし、そもそもそんな大金が口座にいつもあるとも思えません。手数料無料でATMで24時間すぐに引き出せる口座にお金があると、金持ちになった気がして使ってしまうので、給与が振り込まれたら翌日には6割ほどが積み立てやら何やらで簡単には手の届かない存在になるようにしているのです。だから多分、今回の債券購入がクレジット払いだと、引き落とせませんでしたってオチになります。

「では手続きをして参ります」と、担当の行員が席を立ったので、私はヒマになりました。その間にアンケートを書かされましたので、正直に文句はたれておきました。きちんと説明しているようで、最後のほうになってから「理解してサインしてください」の確認があるとか、何それ順番おかしいんじゃね? というのばかりだったし、こっちはズブの素人なのに妙に省略した専門用語が出て来たり。
 アンケートの内容も良く分かりません。興味のあることをいくつか選択するにあたり、「マイホームの購入」「マイホーム以外の購入」と選択肢が並んでいて、「マイホーム以外の購入」をしないひとなんかいないんじゃないのか、訊く必要と意味があるのかとたいへん疑問に思いました。エロ本買ったって自家用飛行機買ったって「マイホーム以外の購入」じゃんか。
 ものすごく不思議と言うよりも不信感を持ったので質問したら「マイホーム以外の不動産の購入」という意味だという回答でした。それなら分かる。別荘とか、愛人用とか、そういうことでしょう。それならそれでちゃんと「マイホーム以外の不動産の購入」と書いておけば良いのに。エコなんでしょうか。それとも、銀行のご相談コーナーに来るような客にはそういう省略は当たり前なのでしょうか。帝国海軍でBUっつったらブスの意味に決まってんじゃねーかお前知らないのか! みたいな。
 ついていけません。いや、海軍用語にはついていけますが。銀行用語は無理。縁が無さ過ぎます。海軍にも縁があるわけじゃないですが。

 帰りに、粗品として食器洗い用のスポンジをくれました。ちょっと助かる、と思いながらも、銀行は規模が大きいほうが粗品が本当に粗品だなと思いました。去年の夏の城南信用金庫は、こんなに貰っちゃっていいのと慌てるくらい粗品をくれました。その上、抽選付き定期なんて、お米当たったことあるし、体育会系の好青年がはきはき対応してくれたりして、支店にもよるのだろうけど、この独特の感じがたまりません。また少しまとまったお金が出来たら預金しちゃう! という気にもなります。どうせ金利なんてどこも変わらんし、だったら面白いほうが楽しいじゃん。
 東京三菱UFJはディズニーのティッシュばっかりです。そんなの第一生命とネタがかぶっていてつまらないです。鼻セレブもビックリなほど質の良いティッシュってわけでも無いし。
 粗品のティッシュが素晴らしいのは、横浜のジョイナスとダイヤモンド地下街がやっている抽選の末等ですね。普通のティッシュより心持ち柔らかく、量も多いのです。あれは素晴らしい。末等でも全然悔しくありません。むしろ、末等より良いはずの5等のお菓子(ポッキーとかコアラのマーチとか何種類かあって選べる)のほうが、好きなのが残っていなかったりしてガッカリします。

 いろいろとうんざりもしましたが、私のお金が市の役に立つのなら嬉しいことです。また募集があったら応募するつもりです。あんまりにも金利が下がっていたら止めるかもしれませんけど。横浜の下がりっぷりを見ると大丈夫か横浜と心配になってくるほどです。そういうのは嫌よねえ。市政のためになるからと、駅前整備やその他公共サービスのために使ってもらえるなら、そういう気持ちで購入をしたわけですから、自分の儲け云々よりも地元の自治体が窮して行く姿を見るのが忍びないのです。世話になっている自治体ですから。好き嫌いは別として。

 追記 2011.05.02
 手続き等々はこのときで終わったわけではなくて、無事に口座が開かれましたとか、クレジットカードが出来ましたとか、ネットバンキングのパスワードがどうとか、あれこれあれこれ後から後から郵送されてきました。
 別の部署で処理しているからこうなるのだと思いますが、それにしたって毎日1通ずつ届いたり、1日に2通届いたり、もうちょっとなんとかならないものなのでしょうか。まとめて全部一緒に送れば良いじゃんか、そしたら色々エコだろうに、と素人は気軽に思うのでした。

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