めぐり
神奈川県伊勢原市にある石田牧場に併設されているジェラート屋「めぐり」に行ってきました。
いつ行ったっけ。覚えてないや。ええと、6月の半ばです。日曜だったかな、ラジオでカープの中継を聴いたような聴かないような。とにかく、ヒマそうな彼氏が車で我が家まで来まして、私はちょうど新しい除湿器を買うにあたりどこか電気屋で偵察したかったので、運転手さん電気屋までって連れて行ってもらいました。
それが何故か近所ではなくあちこちうろついていたためにいつのまにか伊勢原市に突入しておりまして、ぶーんと通り過ぎようとしたら「ジェラート」の看板が。
美味しかった!
少し柔らかめだけど溶けかけという感じではありません。そういう作りなのでしょう。シングルコーン300円、ダブルで350円。ん? この値段設定、どこかで見たような……母校その1近くの喫茶店のアイスクリームでした。最近はこういうのが流行なのでしょうか。50円しか違わないならダブルだよねーと高いほうを買わせる作戦だろうと思います。300円はたぶん割高設定で、350円がまあまあな設定、と推測させて高いほうを選ばせる。お財布的には、もし、必要無ければ50円出費が多ければそれは無駄ということになるので、買い物としては失敗でしょう。でも、私はアイス好きでいくら食べても良いのでダブルに後悔はない。最近はテレビで映画を観ている間に2リットルを完食、なんて無茶はしなくなりましたが、高校生くらいまでは2リットルのファミリーパックは1回食べきりサイズだと真剣に思ってました。
いや、私のアイス遍歴はどうでも良い。最近はハーゲンダッツ至上主義でもなくなったその理由とか、いろいろあるのですが、とりあえず今回のこのジェラートですよ。
まずは種類が面白い。ミルク以外は季節商品がメインのようです。そのミルクにしても、石田ミルクを基本にしてバリエーションがあります。説明が難しいのでここらへんは「めぐりのメニュー」をご覧下さい。
周囲の農家と協力しながらやっていると言うことで、トマトならトマトの生産者、抹茶ならお茶の生産者の紹介が、きっちりとされていました。壁一面に、あちこちの農家の広告と言ったら申し訳ない感じの、生産者ご本人の写真やらコメントやら、ビラみたいなものがたくさん貼ってあります。季節が変わったらまた来よう、そういう気持ちにさせる商品展開です。
その中に、例のセシウムが……っていう新聞記事と出荷制限についてのお知らせが。現在は去年のお茶を使っているが、今後は臨機応変にということです。希望に燃える若い生産者の、非常に落胆した様子がうかがえて気の毒の一言しか出ません。
個人的には、実際にそのお茶畑で放射性物質が検出されたのではなくでも、農協やら何やらの方針も合わせ慎重に対応していることとそのあたりを明確に情報開示して掲示してある姿勢には好感を持ちました。根拠もなく安全安全と主張するより、きちんと検査して自信を持って出荷したいと言う考えには同意します。
話が逸れました。とにかく、アイスは美味しいです。すんなり溶けて柔らかいけれど、ベタベタした感じではありません。コーンがもう一工夫あると最高に私好みなのですが。
どうにもこうにも牧場系アイスやジェラートでは、コーンをないがしろにしているというか、アイスやジェラートには気合いが入っていてもコーンが手抜きと言うか、これでコーンが良かったらもっと良いのにと感じるところが多い。いまいち過ぎて、いっそコーンは止めてカップだけにしたらと思う店もあるくらいです。売りはもちろん、その牧場のミルクなのでどうしても後回しになるのでしょうが、やはりコーンにも気を遣ってもらわないとアイス好きとしては満足を得にくい。是非コーンも研究していただきたいものです。
ご当地ソフトクリームは、あれはとりあえずソフトクリームに定番の普通のコーンならOKです。むしろ、同じじゃないと味の比較がしにくいので、同じにしてくださいとお願いしたい。ただ、牧場系の場合は、単なるご当地ではなくあれもこれも凝っているのにコーンがそれに合っていない味だと、もったいないお化けに叱られてしまえと思ってしまうのです。ああもったいない。せっかくの素晴らしいアイスが。コーンで台無しだなんて。いや、石田牧場のコーンはそこまでではありませんでしたよ。でも、えーコーンはこれかとちょっとガッカリしたのは事実です。
ところで、私は牛を観察してくるのを忘れました。地方の牧場系アイスまたはジェラートの場合、もし牛を拝見出来る場合は牛も観てくるのですが、すっかりぽんでした。お店のすぐ近くに牛小屋あったのに。見損ねてしまった……公式サイトを観る限り、白と黒の普通の乳牛っぽいけど……牛舎の感じとか観られたら観たいのよね。近所の牛小屋と比較して、心の中で「ふーん」って思うだけだけど。飼料にどのくらいサトウキビを入れているのだろうとか、色々勝手に想像しながら牛の見学するのが好きです。
帰りには、何故か本日も持っていた保冷バッグにお持ち帰り用のカップアイスを数個購入しました。電気屋にその後寄りましたが、溶けずに無事だったようです。
結局、その後カラ梅雨で終わってしまったので、せっかく下見した除湿器は購入していません。彼は父親の影響で日立製品を好み東芝を遠ざけ、私は父親の影響でまずはNEC、そして大学の恩師の影響で次は東芝なので、最初に見るものが違います。評価とその理由も違い、議論しながら製品を見るのは楽しい。意見を一部取り入入れることはあっても、勧められたものを買うことはお互い無いだろうが。メーカーの好き嫌いとは使い勝手と慣れであり、変更は難しいのであります。
技量審査場所ってさ
またしても思い出話になりそうな、5月技量審査場所について。
5月技量審査場所は、NHKではなく自前の配信だったが故に、テレビ中継の無い時間にやっている前相撲、ニュースやハイライトなどで普段はほとんど観られない、翌日の取組披露、弓取り、なんと神送りの儀式までが配信されました。中継が無くネット配信であるということ以上に、土俵で行われる取組以外のものをそのまま伝えることが出来た点が、画期的でした。
公式配信では、十両以上ではどすこいFMのメンバーによる解説がされていましたが、ニコニコ生放送ではそれもなく、結びの一番までずっと、解説もリプレイも無いまるで現地にいるような観戦が出来ました。その上で、同時に生放送を観ているひとたちとコメントで盛り上がれるという、かなりお得な状態だったと思います。
行司の口上、弓取り、そして神送り。NHKの大相撲中継では、ましてやダイジェストやニュースだけでは伝わらない、確かに神事だよねという姿がニコ生の、それこそ垂れ流しの状態から伝わったのではないでしょうか。
あの、ユルさ。ものすごい熱戦だったのに、そんな余韻はものともせず、次の力士を淡々と呼ぶ呼出。実は個性たっぷりの行司の皆さん。シンクロ率100%とコメントされていた、土俵を掃く二人の呼出の動き。若い行司や呼出の声は裏返りかすれ、行司よりも小柄で貧弱な下位力士、とにかく呼出は良く働く。朝8時から18時まで、たぶん一番長いのは土俵を掃いている時間です。相撲とは、土俵を掃くことではないかと思うほどです。という主旨のことを高橋秀実氏が著書『おすもうさん』で述べていました。同感です。
とはいえ、人体は60%が水分だから、人間は水ね! ということにならないのと同じで、相撲はやっぱり取組がメインでしょう。しかしながらそれでも、掃いて清めるために取組をやっているんじゃないかと、ちらと疑ってしまうほどひたすら土俵は掃かれまくっています。
途中で私は、これ、観客必要なの? と思ってしまいました。一日中、客がいようがいまいが、ずっと同じことを繰り返していて、土俵上から観客へのパフォーマンスは主に、いわゆる選手であるところの力士ではなく、行司から行われます。明日も来てくれと観客に告げるのは行司の役目であり、力士は優勝インタビューの時に「来場所もよろしく」とアピールするのみです。毎日毎日「明日も賑々しくご来場お待ち申し上げまする」と頭を下げるのは力士ではないのです。力士は本当に相撲を取っているだけ。土俵や対戦相手、親方には頭を下げても、観客に頭を下げないのが力士。周囲を気にせずひたすら土俵を掃き、次の力士を呼び出し、審判を務める親方の世話をし、マイクや座布団を運んだり片付けたり、なんだか超越しているようにも見える呼出さんたち。
観客に語りかけているのは、行司と、場内アナウンスだけですね。物言いがついたときの説明さえ、取組をした本人たちへの説明がメインのように感じられます。
あれはあれでなかなかに完成された世界です。ひよの山の着ぐるみがいたり、どすこいFMで賞品付クイズがあったり、地下でちゃんこ食えたり、しますけれども、それは国技館の周りの部分であってあの会場に入り込んだら別世界です。
以前大相撲秋場所6日目で私は国技館はテーマパークだと申しましたが、いやもうほんとに。テーマパークです。
5年程前、何かの雑誌か特集で、期待の若手幕下力士として紹介されていた富士東(当時は渋谷)が、十両8枚目で勝ち越しました。9勝です。立派なものです。同列で扱われていた稀勢の里はもうとっくに三役と、だいぶ水をあけられましたが、幕下でもたついた分、十両を駆け抜けて上位を脅かす存在になってくれるのではないかと期待しています。幕下上位で勝てない日々が続いた時は、関取になってくれれば万万歳だと思ったこともあるのに、勝手だなあと我ながら思います。
こうやって若手の出世を見守っていると、ジャニーズジュニアが好きというひとの気持ちが分かるような気もします。
などなど、相撲そのものはもうこれでもかってほど楽しみまくったのですが、じゃあ八百長問題はどうなったの? と言うと、正直、まったく解決していないと思います。証拠のあがった(とされる)メンツを外して無料で相撲やって、そんで番付組み直して、それでハイ禊は終了ですって、んなわけねーだろ!
でも相撲協会はそれでおしまいっぽい雰囲気です。2011年5月27日の時点でデイリーには「八百長問題"終止符"名古屋場所正常開催へ」という記事が出ました。おいおい"終止符"かよ、本場所再開の条件としてきた全容解明、処分、再発防止策の『3点セット』
のうち、やったのは処分だけじゃねーか。私はツッコミまくりましたが、文科省からも「まあよかろう」的な返事が参りまして、祝! 名古屋場所開催と相成りました。どんだけ茶番なんだか。
力士を傷つけただけじゃないですか。本当に八百長をやってなかったらしい面々の誇りを傷つけ、仲間内でお互いを売るかどうか疑心暗鬼、場所の中止による士気の低下、やってようがやってまいが今後世間から色眼鏡で見られるストレス。それでもきちんと解明すればそれだけの負担をかけた意味があるでしょうが、結局はナアナアでおしまいです。
とりあえず中止にしてしまった三月場所———その後大きな地震がありましたので結果として中止で良かったですが———も、あれこれ対策するよりはまず中止にしてしまおうという感じがしました。協会は元力士なのですから中止による力士へのダメージがいかほどなものか、分かっていたはずなのに。もちろん、八百長はとんでもないことだから最もダメージがある方法を取ったとも言えます。調査報告によると処分された力士が考案して始めたものではない
のですから、親方だってやってたかもしれないのに親方への処分はどうなってるのか、そこらへんも曖昧なままです。
3月は中止、5月はデモンストレーション、7月は本番、そういう段取りの時間稼ぎと場繋ぎのために開催されたようにしか思えません。タニマチさんやお茶屋さん、巡業やら何やらで世話になる地方の関係者、あちこちに迷惑をかけて、もう何事も無かったかのように7月場所が開催されようとしています。
そりゃあ相撲の存在を世間に広めたし、取組内容は面白かったし、ニコニコ生放送も画期的だったし、新しいファンの獲得に繋がったかもしれないし、でも、八百長問題の解決と言う意味では、どんな役に立ったのか、明確には見えてきません。これもまたそのうち、ああそんなのもあったねーと言われるだけなのかと思うと、ほんとにいったいなんだったのだろうと、疑問でいっぱいです。ほんとに単なる体裁だけのパフォーマンスだったのなら切なすぎます。
負ける前・最中・後
今日は主に食べ物の話を。今さらを通り越して思い出話ですが、5月末に札幌で食べたもの色々。
札幌ドームでは、gurume BINGOツアーというものをやっていて、台紙もいただいたのですが一つもぺたりと出来ませんでした。だって、食べたいもの無かったんだもの。最初から、札幌ドームでは「スパイシーハム勝つ丼」を食べる! と決心して来ていたので、そのプリンスホテルが提供しているらしいお店を探して歩きました。とりあえず席を確保してから。
節電なのかなんなのか、とりあえず節約はしているようで、見ているとどのお店も箸は袋に入っていないし、お弁当のようなものを買っても袋は無いし、飲み物のフタも無いようでした。球場のほとんど全部を見て歩けるのはマツダズームズームと同じような作りだなあと思いながら、1塁側外野の席から反時計回りにぐるり。球場の円周の外側に沿って、1階は主に内野席に、2階は一周まるまる、お店が並んでいます。
1階は通常通りか節電モードか、暗く感じましたが、そんなのどうでも良いと思う光景が広がっていました。食べ物を購入したお客さんが、2階へ行く階段に座り込んでそのまま食べているのです。
なんだこれ、行儀悪い。
正直そう思いました。これ、北海道の文化なのだろうか? 床にお店を広げてグッズを販売している一角があり、そういうのも含めて邪魔にならないように気を遣いながら地べたに座るのが、北海道スタイルなのか? わりと本気でそう感じました。
しかし、たぶん、これは文化ではなく、球場の事情なのだろうと15分後くらいに察しました。事情とは、前述した節約志向がまずひとつ。飲み物にフタが無く、食べ物にもフタが無く、箸やスプーンは袋に入っていない。これでは買ったその場で食べるのが自然な流れでしょう。そのまま食べ物を持った状態で、あちこちのお土産屋さんを覗いたりトイレに寄ったりはまず出来ません。恐らくそれで席へ食べ物を持ち運ばずに、仕方なく階段を椅子とテーブル代わりに手早く食べるのです。
それから、お高いシートは分かりませんが、一般もビジターも外野席は通路も狭く、席と席の間も狭く、食事するには窮屈だからです。椅子もあまり大きくないし、前の席とのスペースがとても狭い。かろうじて飲み物を置くホルダーはありましたが、のんびり食事という感じではありません。ナゴヤは内野に近いあたりとバックスクリーンの側では椅子が違いました(跳ね上げ式とそうでないの)が、席そのものはゆったりとした設計でした。通路間の席の数も、ナゴヤのほうが少ないし、足下も広かったです。
しかし、札幌ドームは一人当たりのスペースが狭いのです。小柄な私の膝が前の席に当たりそうなくらいですから、中肉中背の男性では間違いなくぶつかるでしょう。そこで買って来た食べ物を、しかも跳ね上げ式の椅子で、フタも無いのに荷物を整理したりゴミ袋を自前で用意したりしながら食べるのは面倒です。それが分かっていたら、そりゃあ階段で食っちまうわな。ゴミも近くのゴミ箱に捨てれば良いし。
階段に座り込んでの球場グルメは、やっぱり札幌ドームの文化のような気がしてきました。道民の文化ではないのだろうけど、ドーム内で育まれた文化のように感じます。
と言うわけで、何も知らない私はスパイシーハム勝つ丼をビジター席で隣のひとに肘をぶつけては謝りながらなんとか食べていたわけですが、周囲はちょっとしたつまみ以外は席に持って来ていませんでした。だよねー。
ハム勝つ丼は美味しかったですよ。球場の食べ物はジャンクなものが多いけれど、入れ物は安っぽいものの中身は普通でした。ちょっと味が濃い以外は、量にも値段にも文句無し。
球場グルメはもうひとつ楽しみにしていたものがありまして、それはシャウエッセンのソーセージを使用したホットドッグです。3階の、ホットドックパークという売店で販売されています。シャウエッセンロングドッグ 道産ゴーダチーズ、400円でこのボリューム、箱ティッシュの3分の2くらいはありますかね、パンも美味しいしソーセージも美味しいし、食べごたえがありました。
北海道の物価を良く知らないのですが、球場ではたいていのものがかなり割高で販売されていることを考慮すると、400円でこの味でこの量、満足の出来る商品です。これは当たりだった。るるぶ北海道の球場グルメのオススメを信じて良かったと思いました。
さて、稲葉に打たれて負けた後、それでも試合後の花火や新庄のホームスチールの写真を楽しんで地下鉄へ向かいました。地下鉄までが遠く、雨が降っていたので少々うんざりしました。29日に歩いてみたらたいした距離では無かったので、負け試合の後、暗い中大勢でゆっくりしか歩けなくて、道も知らず周囲に着いて行くだけだったために遠く感じたようです。ナゴヤほど近くはないですが、神宮から信濃町よりはずっと近いです。あれはたまに迷子になって千駄ヶ谷に着いてしまう。地下鉄のつもりがJRじゃないかと落ち込みます。私だけですかね。いや別にどっちでも帰宅にはまったく困りませんが、思ったところに着かないのはちょっと悲しい。
地下鉄は豊水すすきので降りてまずはホテルへ。途中でテレビ塔が目に入りました。私は、ああテレビ塔、だいぶ近いんだなと思っただけでしたが、彼氏は「おお、テレビ塔っぽいのがあるぞ」と楽しげな声をあげ、本物だと思っていませんでした。
私は混雑した地下鉄に酔ってしまっていたので、チェックインの手続きも彼に任せてふらふらと部屋へ。それから彼がフロントでもらった地図を確認して「えーっ! あれがほんとにテレビ塔なのか! 明日の観光がひとつ既に終わってしまったではないか!」と嘆くのをうとうとしながら聞きました。ホテル予約したのお前だろうが。
疲れていたので寝てしまい、21時過ぎからやっとこさすすきのへ繰り出しました。札幌は何度か行ったことがあるのに、すすきのは初めてです。寝てしまったのがもったいない。2008年に両親と北海道へ行く際、素敵なお姉様に教えていただいたオススメのお店には夜に出歩くのを好まない両親のおかげで行かなかったので、今回はわくわくでした。
まずは腹ごしらえ、ということで夜空のジンギスカンへ。ユッケなご時世で腰の引けた私と彼氏は、夜空の味漬けジンギスカンを選んでみました。何をどうして良いのか心底分からないので、店員の若い女性にあなたのオススメや定番を適当に! とまさに適当な注文をしたところ、味付けジンギスカンとエゾシカになりました。夕方まで球場で多少飲み食いしていたため、そんなに空腹ではなく1人前ずつです。それから〆はうどんかご飯と言うので、うどんを。彼はさんざん、サッポロクラシックを飲んでいたくせにまたビールでした。そして私には肝臓がどうとか言って飲ませてくれません。もう治ったっつーの肝臓は。
ジンギスカン、ふたりとも初めて食べましたが、くせのある肉を想像していたのに全然でした。ものすごく普通。もちろん、牛や豚とはまったく違うのですが、だからどうと言うことも無く。味付けだからかなあ。生ラムだともっと全然感想が違うのかもしれません。エゾシカもあっさりしていて気に入りました。
「奈良の鹿はいじめてもいけないのにエゾシカは食べても良いなんて不公平だな」
「いやエゾシカだっていじめたらダメだろ」
「そうなのかな、あ、撃ちたいの? もしかして」
「撃たないよ。動く標的って興味持てない」
「そうか、僕もなるべく動くようにしよう」
「そうだね。良いダイエットになるだろうよ」
「……」
害獣とされるエゾシカと、天然記念物なだけに退治するわけにいかない奈良の鹿、どっちが扱い易いかというと前者のような。奈良の鹿も不憫だな。名誉職を与えられた窓際族みたいになってしまいそう。
エゾシカ美味しい。また食べたいものです。次回は生ラムを試してみたい。でも生肉は危ないのよね……管理がずさんで死人を出した某社はあっという間に解散してしまい、ああ、企業ってこうよね、信用を失うことがほんと命取りなのよね(我が社も気をつけねば)と思いました。管理がずさんで死人を出している某社は節電しろとか電気代上げるとか利用者に更なる負担を求めて相変わらずの殿様商売しているけど。
その後はアイス。HOKKAIDO ミルク村 SAPPORO本店へ行きました。23時ラストオーダーで24時まで営業しています。我々は22時半ごろ到着しましたが、まだだいぶ混雑していました。こんな夜中に? と思いましたが、おめーもだろと自己ツッコミ。
お店の中は、ここも節電か? どいつもこいつも節電節電でまったくこんなに暗くして! と思いましたが、よく考えなくてもここはバーという扱いなので暗くても当たり前なのですね。なんでバーはあんなに暗いんだ、弱視のひとは困っているだろうに、ユニバーサルデザインとか何も考えてないよな階段があって地下に入るところも多いし、入口があんなに狭くて避難経路はきちんと確保されているのだろうかと、私はバーについてあまり心証が良くないので、このアイスのお店も入るなりちょっと不機嫌になりました。
しかし彼氏は独特の雰囲気と入口の可愛い動物クッキーに心惹かれてみたり、上機嫌のようでした。私が行きたがって彼が着いて来て、それで彼がご機嫌ならまあ良いかと、案内された狭いテーブルに、これまた大戸屋レベルの狭さだなと眉をひそめつつ着席しました。この辺りまでは、失敗したとは思わないがすんごく楽しい感じでも無い、という評価です。
隣の席の若い男女、恋人同士ではなく片方が既婚者で、後輩の女子社員をちょっと女の子が喜びそうなお店に連れて来たという感じで、蘊蓄を垂れ流してみたり仕事のアドバイスを偉そうにしてみたり、それ観察しているのも面白いような不愉快のような中、わりと腰の低くない店員がオーダーを取りに来まして、ここでも私は良く分からんからオススメで! と適当な注文をしました。
このアイスを食べられるバーは、アイスクリームにリキュールを少量ずつかけて味わうことが出来ます。カクテルアイスクリームバーと呼ぶようです。とりあえずセットメニューから、Aセットのアイスクリーム・リキュール2種・クレープとヨーグルト+コーヒーを2人前。頼んでから、片方をBセットのアイスクリーム・リキュール3種+コーヒーにしたほうが種類を多く楽しめたはずだと気付きましたが、後の祭りというやつです。浅慮でした。
何を選んだか忘れましたが、彼は明らかにウキウキな感じでゴディバと巨峰だったかな……白ワインと、何かをとにかく選びました。実は私はもうすでにだいぶ眠かったのです。
紅茶のリキュールはサービスだと、小さな札をつけられた少量のリキュールが入っているやたらと小さなワイングラス———5mlビーカーよりは大きいが10mlは無さそうなサイズ———とマグカップに入ったアイスクリームが運ばれ、食べ方を一通りレクチャーされてから、最初の一口には驚きました。えー何このアイス。ちょっと柔らかすぎるし、クリームよりもシャーベット的な舌触り。味は恐らくバニラだろうけれどまったく強くないし、いかにも乳製品ですというような濃厚さが無い。特徴という特徴は感じられず、あっさりしていてスーパーカップだってもうちょっと味があるぜ。思わず彼と目と目で会話してしまいました。未確認ですが、恐らく彼も「どっちかというと美味しくない部類だぞこのアイス」という顔をしていました。
正しい食べ方を指導する店員さんの前で「アイスそのものは美味しくない」とはさすがに言えず、えーーーーと思いながら指示されるままにリキュールを垂らして一口。
ごめんさっきのアイスの評価、間違ってました。
なるほどリキュールと一緒に食べたときに美味しいように、アイスそのものの味は抑えてあるのね。考えれば当然ですが、リキュールを垂らすだけで劇的に味を変えるアイスにたまげました。彼も大喜び。きみは肝臓が悪いから控えめにしなさいと私のぶんのリキュールを使いまくり。私の肝臓は治った(はずだ)し、お前のメタボのほうが深刻だろうといじめつつ、アイス終了。そしたらすかさず店員さんが「おかわりは?」って。おかわりあるのか。最初に説明あったっけ?
おかわりは大盛りでも良いとのことでしたが、私は眠く、彼もだいぶお腹いっぱいだったようなので二人とも「普通で」と頼みました。ええ、おかわり、しましたとも。
ほとんど閉店ギリギリまで過ごし、最後に可愛い動物のクッキーをいただいてお店を出ました。これで1390円なら安いくらいですな。最後まで居座っていたのは、彼がカエルのクッキー、どこから食べようか悩みに悩んでいたからです。結局一口で食べてました。
24時近くなって宿へ戻り、明日どうするーと喋っているうちにいつの間にか寝ていましたので、早朝3時くらいに風呂に入り2度寝しました。10時過ぎればどこかお店も開くだろうと、観光しながら札幌駅まで徒歩で行くことにして、のんびり散歩。昨夜のうちに発見してしまっていたテレビ塔で、一応観光客らしくお土産を買ったりしました。上には上がってないのですけど。そこから時計台までまた徒歩。観光地をうろついているのでしょうがないのですが、恐らく昨日同じ場所にいたのであろう、赤いグッズに身を固めた人々が、あちこちにおりました。
札幌駅でお土産屋さんを冷やかしつつ、少々足を伸ばして北大まで。ここでも赤いグッズがちらほら目に入ります。そのちょっと前に学会で北大行ってたんだよねーと後輩から聞いた、2004年の台風で倒れたというポプラ並木を確認してから、北大の食堂へ行きました。11時開店で、やっと朝食です。
ここもるるぶにメニューが紹介されていたものがあるのですが、私は普段通りの食事とほとんど同じ、米飯・みそ汁・青菜のおひたし+小魚・焼き魚というメニューでした。レシートにはカロリーと、塩が何グラムだの細かい表記があります。私は291kcal。しかし、彼は名物と紹介されていたササミチーズカツと、新商品だかなんだかの豚肉丼みたいなやつと大きめの豆腐、サラダを頼んでカロリーは900近く。これだけを見ても彼と私の体型の違いに納得がいくというものです。
球場でさんざんやったんですけれども、ガイドブックに書いてあったからってそれ全部食べてみるって、馬鹿の一つ覚えみたいで間抜けだよなあ。ぱっと見で食べてみたいもの食べれば良いじゃん。でも、美味しいよって紹介されていると、やっぱり食べたくなってしまうのです。そんでお腹いっぱいになるので、その他の目についたものを食べられない。
悪循環だなあ。やはり同じところを何回か訪問しないとダメなのかもしれません。尾道ラーメンと讃岐うどんは、店なんか全然調べずに行って目についたところで食べましたが、譲ってそこまでって感じ。好奇心はあるんだけど冒険は苦手なので。ドラクエ以外は。
食事の後、外に出たら雨が降っていて、大通公園を散歩するというプランにすっかり嫌気がさしたらしく、彼が行くとこ無いなら野球観ると言い出したため、再び札幌ドームへ。食べたばかりなので球場グルメにはあまり気持ちが向かず、そのくせアイスクリームに興味を示し、ビールを飲む彼。いやほんと太るひとは食生活が違う。そんなに食うならスクワット応援しろ。
飛行機にギリギリは嫌なので、8回あたりで途中退出した後、空港での夕食は彼が悩みに悩んだ結果札幌ラーメンになりました。結局スープカレーは食べていません。スープカレーと札幌ラーメンで悩みまくり、両方食べようかとまで言い出すので呆れました。どちらかがラーメン、どちらかがスープカレーで解決のはずが、ラーメンは醤油と塩を試したいんですって。観光客向けなのは分かっているけどコーン入りが気になるとか。腹がふくれることを第一義とする私とは考え方がまるで違います。
お土産は、とりあえずラーメンとスープカレー、六花亭のバターサンドと、同僚から指定のあったバームクーヘン、別の同僚から指定のあったジャガピリカ、ジャガイモから作ったおかき、そんなところです。彼氏は、北海道へ行ったとバレると困るからと、羽田に着いてからお台場土産を買っていました。なんでバレると困るのかちっとも分かりません。
羽田に着いて横浜行きのバスに乗ったところで彼からメールが来ました。「バターサンド買えば良かった。美味しそう」
デパートの北海道物産展をチェックしまくれ、と返事しておきました。
そのうちまた北海道来たいですね。野球はとりあえずもう良いので、まだ行ったことの無い十勝や宗谷、帯広に行ってみたいです。いやあの、負け惜しみじゃないです。悔しいけど、稲葉、かっこいいんだもん。武田勝、好きな投球するんだもん。