負ける前・最中・後
今日は主に食べ物の話を。今さらを通り越して思い出話ですが、5月末に札幌で食べたもの色々。
札幌ドームでは、gurume BINGOツアーというものをやっていて、台紙もいただいたのですが一つもぺたりと出来ませんでした。だって、食べたいもの無かったんだもの。最初から、札幌ドームでは「スパイシーハム勝つ丼」を食べる! と決心して来ていたので、そのプリンスホテルが提供しているらしいお店を探して歩きました。とりあえず席を確保してから。
節電なのかなんなのか、とりあえず節約はしているようで、見ているとどのお店も箸は袋に入っていないし、お弁当のようなものを買っても袋は無いし、飲み物のフタも無いようでした。球場のほとんど全部を見て歩けるのはマツダズームズームと同じような作りだなあと思いながら、1塁側外野の席から反時計回りにぐるり。球場の円周の外側に沿って、1階は主に内野席に、2階は一周まるまる、お店が並んでいます。
1階は通常通りか節電モードか、暗く感じましたが、そんなのどうでも良いと思う光景が広がっていました。食べ物を購入したお客さんが、2階へ行く階段に座り込んでそのまま食べているのです。
なんだこれ、行儀悪い。
正直そう思いました。これ、北海道の文化なのだろうか? 床にお店を広げてグッズを販売している一角があり、そういうのも含めて邪魔にならないように気を遣いながら地べたに座るのが、北海道スタイルなのか? わりと本気でそう感じました。
しかし、たぶん、これは文化ではなく、球場の事情なのだろうと15分後くらいに察しました。事情とは、前述した節約志向がまずひとつ。飲み物にフタが無く、食べ物にもフタが無く、箸やスプーンは袋に入っていない。これでは買ったその場で食べるのが自然な流れでしょう。そのまま食べ物を持った状態で、あちこちのお土産屋さんを覗いたりトイレに寄ったりはまず出来ません。恐らくそれで席へ食べ物を持ち運ばずに、仕方なく階段を椅子とテーブル代わりに手早く食べるのです。
それから、お高いシートは分かりませんが、一般もビジターも外野席は通路も狭く、席と席の間も狭く、食事するには窮屈だからです。椅子もあまり大きくないし、前の席とのスペースがとても狭い。かろうじて飲み物を置くホルダーはありましたが、のんびり食事という感じではありません。ナゴヤは内野に近いあたりとバックスクリーンの側では椅子が違いました(跳ね上げ式とそうでないの)が、席そのものはゆったりとした設計でした。通路間の席の数も、ナゴヤのほうが少ないし、足下も広かったです。
しかし、札幌ドームは一人当たりのスペースが狭いのです。小柄な私の膝が前の席に当たりそうなくらいですから、中肉中背の男性では間違いなくぶつかるでしょう。そこで買って来た食べ物を、しかも跳ね上げ式の椅子で、フタも無いのに荷物を整理したりゴミ袋を自前で用意したりしながら食べるのは面倒です。それが分かっていたら、そりゃあ階段で食っちまうわな。ゴミも近くのゴミ箱に捨てれば良いし。
階段に座り込んでの球場グルメは、やっぱり札幌ドームの文化のような気がしてきました。道民の文化ではないのだろうけど、ドーム内で育まれた文化のように感じます。
と言うわけで、何も知らない私はスパイシーハム勝つ丼をビジター席で隣のひとに肘をぶつけては謝りながらなんとか食べていたわけですが、周囲はちょっとしたつまみ以外は席に持って来ていませんでした。だよねー。
ハム勝つ丼は美味しかったですよ。球場の食べ物はジャンクなものが多いけれど、入れ物は安っぽいものの中身は普通でした。ちょっと味が濃い以外は、量にも値段にも文句無し。
球場グルメはもうひとつ楽しみにしていたものがありまして、それはシャウエッセンのソーセージを使用したホットドッグです。3階の、ホットドックパークという売店で販売されています。シャウエッセンロングドッグ 道産ゴーダチーズ、400円でこのボリューム、箱ティッシュの3分の2くらいはありますかね、パンも美味しいしソーセージも美味しいし、食べごたえがありました。
北海道の物価を良く知らないのですが、球場ではたいていのものがかなり割高で販売されていることを考慮すると、400円でこの味でこの量、満足の出来る商品です。これは当たりだった。るるぶ北海道の球場グルメのオススメを信じて良かったと思いました。
さて、稲葉に打たれて負けた後、それでも試合後の花火や新庄のホームスチールの写真を楽しんで地下鉄へ向かいました。地下鉄までが遠く、雨が降っていたので少々うんざりしました。29日に歩いてみたらたいした距離では無かったので、負け試合の後、暗い中大勢でゆっくりしか歩けなくて、道も知らず周囲に着いて行くだけだったために遠く感じたようです。ナゴヤほど近くはないですが、神宮から信濃町よりはずっと近いです。あれはたまに迷子になって千駄ヶ谷に着いてしまう。地下鉄のつもりがJRじゃないかと落ち込みます。私だけですかね。いや別にどっちでも帰宅にはまったく困りませんが、思ったところに着かないのはちょっと悲しい。
地下鉄は豊水すすきので降りてまずはホテルへ。途中でテレビ塔が目に入りました。私は、ああテレビ塔、だいぶ近いんだなと思っただけでしたが、彼氏は「おお、テレビ塔っぽいのがあるぞ」と楽しげな声をあげ、本物だと思っていませんでした。
私は混雑した地下鉄に酔ってしまっていたので、チェックインの手続きも彼に任せてふらふらと部屋へ。それから彼がフロントでもらった地図を確認して「えーっ! あれがほんとにテレビ塔なのか! 明日の観光がひとつ既に終わってしまったではないか!」と嘆くのをうとうとしながら聞きました。ホテル予約したのお前だろうが。
疲れていたので寝てしまい、21時過ぎからやっとこさすすきのへ繰り出しました。札幌は何度か行ったことがあるのに、すすきのは初めてです。寝てしまったのがもったいない。2008年に両親と北海道へ行く際、素敵なお姉様に教えていただいたオススメのお店には夜に出歩くのを好まない両親のおかげで行かなかったので、今回はわくわくでした。
まずは腹ごしらえ、ということで夜空のジンギスカンへ。ユッケなご時世で腰の引けた私と彼氏は、夜空の味漬けジンギスカンを選んでみました。何をどうして良いのか心底分からないので、店員の若い女性にあなたのオススメや定番を適当に! とまさに適当な注文をしたところ、味付けジンギスカンとエゾシカになりました。夕方まで球場で多少飲み食いしていたため、そんなに空腹ではなく1人前ずつです。それから〆はうどんかご飯と言うので、うどんを。彼はさんざん、サッポロクラシックを飲んでいたくせにまたビールでした。そして私には肝臓がどうとか言って飲ませてくれません。もう治ったっつーの肝臓は。
ジンギスカン、ふたりとも初めて食べましたが、くせのある肉を想像していたのに全然でした。ものすごく普通。もちろん、牛や豚とはまったく違うのですが、だからどうと言うことも無く。味付けだからかなあ。生ラムだともっと全然感想が違うのかもしれません。エゾシカもあっさりしていて気に入りました。
「奈良の鹿はいじめてもいけないのにエゾシカは食べても良いなんて不公平だな」
「いやエゾシカだっていじめたらダメだろ」
「そうなのかな、あ、撃ちたいの? もしかして」
「撃たないよ。動く標的って興味持てない」
「そうか、僕もなるべく動くようにしよう」
「そうだね。良いダイエットになるだろうよ」
「……」
害獣とされるエゾシカと、天然記念物なだけに退治するわけにいかない奈良の鹿、どっちが扱い易いかというと前者のような。奈良の鹿も不憫だな。名誉職を与えられた窓際族みたいになってしまいそう。
エゾシカ美味しい。また食べたいものです。次回は生ラムを試してみたい。でも生肉は危ないのよね……管理がずさんで死人を出した某社はあっという間に解散してしまい、ああ、企業ってこうよね、信用を失うことがほんと命取りなのよね(我が社も気をつけねば)と思いました。管理がずさんで死人を出している某社は節電しろとか電気代上げるとか利用者に更なる負担を求めて相変わらずの殿様商売しているけど。
その後はアイス。HOKKAIDO ミルク村 SAPPORO本店へ行きました。23時ラストオーダーで24時まで営業しています。我々は22時半ごろ到着しましたが、まだだいぶ混雑していました。こんな夜中に? と思いましたが、おめーもだろと自己ツッコミ。
お店の中は、ここも節電か? どいつもこいつも節電節電でまったくこんなに暗くして! と思いましたが、よく考えなくてもここはバーという扱いなので暗くても当たり前なのですね。なんでバーはあんなに暗いんだ、弱視のひとは困っているだろうに、ユニバーサルデザインとか何も考えてないよな階段があって地下に入るところも多いし、入口があんなに狭くて避難経路はきちんと確保されているのだろうかと、私はバーについてあまり心証が良くないので、このアイスのお店も入るなりちょっと不機嫌になりました。
しかし彼氏は独特の雰囲気と入口の可愛い動物クッキーに心惹かれてみたり、上機嫌のようでした。私が行きたがって彼が着いて来て、それで彼がご機嫌ならまあ良いかと、案内された狭いテーブルに、これまた大戸屋レベルの狭さだなと眉をひそめつつ着席しました。この辺りまでは、失敗したとは思わないがすんごく楽しい感じでも無い、という評価です。
隣の席の若い男女、恋人同士ではなく片方が既婚者で、後輩の女子社員をちょっと女の子が喜びそうなお店に連れて来たという感じで、蘊蓄を垂れ流してみたり仕事のアドバイスを偉そうにしてみたり、それ観察しているのも面白いような不愉快のような中、わりと腰の低くない店員がオーダーを取りに来まして、ここでも私は良く分からんからオススメで! と適当な注文をしました。
このアイスを食べられるバーは、アイスクリームにリキュールを少量ずつかけて味わうことが出来ます。カクテルアイスクリームバーと呼ぶようです。とりあえずセットメニューから、Aセットのアイスクリーム・リキュール2種・クレープとヨーグルト+コーヒーを2人前。頼んでから、片方をBセットのアイスクリーム・リキュール3種+コーヒーにしたほうが種類を多く楽しめたはずだと気付きましたが、後の祭りというやつです。浅慮でした。
何を選んだか忘れましたが、彼は明らかにウキウキな感じでゴディバと巨峰だったかな……白ワインと、何かをとにかく選びました。実は私はもうすでにだいぶ眠かったのです。
紅茶のリキュールはサービスだと、小さな札をつけられた少量のリキュールが入っているやたらと小さなワイングラス———5mlビーカーよりは大きいが10mlは無さそうなサイズ———とマグカップに入ったアイスクリームが運ばれ、食べ方を一通りレクチャーされてから、最初の一口には驚きました。えー何このアイス。ちょっと柔らかすぎるし、クリームよりもシャーベット的な舌触り。味は恐らくバニラだろうけれどまったく強くないし、いかにも乳製品ですというような濃厚さが無い。特徴という特徴は感じられず、あっさりしていてスーパーカップだってもうちょっと味があるぜ。思わず彼と目と目で会話してしまいました。未確認ですが、恐らく彼も「どっちかというと美味しくない部類だぞこのアイス」という顔をしていました。
正しい食べ方を指導する店員さんの前で「アイスそのものは美味しくない」とはさすがに言えず、えーーーーと思いながら指示されるままにリキュールを垂らして一口。
ごめんさっきのアイスの評価、間違ってました。
なるほどリキュールと一緒に食べたときに美味しいように、アイスそのものの味は抑えてあるのね。考えれば当然ですが、リキュールを垂らすだけで劇的に味を変えるアイスにたまげました。彼も大喜び。きみは肝臓が悪いから控えめにしなさいと私のぶんのリキュールを使いまくり。私の肝臓は治った(はずだ)し、お前のメタボのほうが深刻だろうといじめつつ、アイス終了。そしたらすかさず店員さんが「おかわりは?」って。おかわりあるのか。最初に説明あったっけ?
おかわりは大盛りでも良いとのことでしたが、私は眠く、彼もだいぶお腹いっぱいだったようなので二人とも「普通で」と頼みました。ええ、おかわり、しましたとも。
ほとんど閉店ギリギリまで過ごし、最後に可愛い動物のクッキーをいただいてお店を出ました。これで1390円なら安いくらいですな。最後まで居座っていたのは、彼がカエルのクッキー、どこから食べようか悩みに悩んでいたからです。結局一口で食べてました。
24時近くなって宿へ戻り、明日どうするーと喋っているうちにいつの間にか寝ていましたので、早朝3時くらいに風呂に入り2度寝しました。10時過ぎればどこかお店も開くだろうと、観光しながら札幌駅まで徒歩で行くことにして、のんびり散歩。昨夜のうちに発見してしまっていたテレビ塔で、一応観光客らしくお土産を買ったりしました。上には上がってないのですけど。そこから時計台までまた徒歩。観光地をうろついているのでしょうがないのですが、恐らく昨日同じ場所にいたのであろう、赤いグッズに身を固めた人々が、あちこちにおりました。
札幌駅でお土産屋さんを冷やかしつつ、少々足を伸ばして北大まで。ここでも赤いグッズがちらほら目に入ります。そのちょっと前に学会で北大行ってたんだよねーと後輩から聞いた、2004年の台風で倒れたというポプラ並木を確認してから、北大の食堂へ行きました。11時開店で、やっと朝食です。
ここもるるぶにメニューが紹介されていたものがあるのですが、私は普段通りの食事とほとんど同じ、米飯・みそ汁・青菜のおひたし+小魚・焼き魚というメニューでした。レシートにはカロリーと、塩が何グラムだの細かい表記があります。私は291kcal。しかし、彼は名物と紹介されていたササミチーズカツと、新商品だかなんだかの豚肉丼みたいなやつと大きめの豆腐、サラダを頼んでカロリーは900近く。これだけを見ても彼と私の体型の違いに納得がいくというものです。
球場でさんざんやったんですけれども、ガイドブックに書いてあったからってそれ全部食べてみるって、馬鹿の一つ覚えみたいで間抜けだよなあ。ぱっと見で食べてみたいもの食べれば良いじゃん。でも、美味しいよって紹介されていると、やっぱり食べたくなってしまうのです。そんでお腹いっぱいになるので、その他の目についたものを食べられない。
悪循環だなあ。やはり同じところを何回か訪問しないとダメなのかもしれません。尾道ラーメンと讃岐うどんは、店なんか全然調べずに行って目についたところで食べましたが、譲ってそこまでって感じ。好奇心はあるんだけど冒険は苦手なので。ドラクエ以外は。
食事の後、外に出たら雨が降っていて、大通公園を散歩するというプランにすっかり嫌気がさしたらしく、彼が行くとこ無いなら野球観ると言い出したため、再び札幌ドームへ。食べたばかりなので球場グルメにはあまり気持ちが向かず、そのくせアイスクリームに興味を示し、ビールを飲む彼。いやほんと太るひとは食生活が違う。そんなに食うならスクワット応援しろ。
飛行機にギリギリは嫌なので、8回あたりで途中退出した後、空港での夕食は彼が悩みに悩んだ結果札幌ラーメンになりました。結局スープカレーは食べていません。スープカレーと札幌ラーメンで悩みまくり、両方食べようかとまで言い出すので呆れました。どちらかがラーメン、どちらかがスープカレーで解決のはずが、ラーメンは醤油と塩を試したいんですって。観光客向けなのは分かっているけどコーン入りが気になるとか。腹がふくれることを第一義とする私とは考え方がまるで違います。
お土産は、とりあえずラーメンとスープカレー、六花亭のバターサンドと、同僚から指定のあったバームクーヘン、別の同僚から指定のあったジャガピリカ、ジャガイモから作ったおかき、そんなところです。彼氏は、北海道へ行ったとバレると困るからと、羽田に着いてからお台場土産を買っていました。なんでバレると困るのかちっとも分かりません。
羽田に着いて横浜行きのバスに乗ったところで彼からメールが来ました。「バターサンド買えば良かった。美味しそう」
デパートの北海道物産展をチェックしまくれ、と返事しておきました。
そのうちまた北海道来たいですね。野球はとりあえずもう良いので、まだ行ったことの無い十勝や宗谷、帯広に行ってみたいです。いやあの、負け惜しみじゃないです。悔しいけど、稲葉、かっこいいんだもん。武田勝、好きな投球するんだもん。
ある日のことでした
外へ出ると
野球のボールがひとつ
足元に転がっていました
それを拾って
きょろきょろ
きょろきょろ
グローブを嵌めた手を振る
若者の姿が複数、目に入りました
わはははは!
剛速球にビビるんじゃねーぞ!
ストレートの握りを見せつけ
振りかぶって思いっきり投げた球は
4トントラック1台分ほどで
ぽてん
ころころ
結局彼は走ってボールを取りに来ました
「ありがとう」の声に力なく手を振り
とぼとぼ去りながら
ちょっと胸を撫で下ろすのです
良かった、とりあえずまっすぐ行って
背後からは
パアァン
パアァンと
小気味良いキャッチボールの音が聞こえます
ああ、井川の真似でもしてみれば良かったか
しばし悔いる昼下がりのうららかさ
柔らかな日差し
なんとまあ平和であることよ
ところで
肘が痛いんですが……
ついでに左の脇腹も
まりーんまりーん
クオリティスタートという考え方は理解出来るし、投手の評価の仕方として目安になるものだと思うけれども、自滅でしょーってな2点と中押しの1点で、7回途中3失点ならまあまあ、というのはなんだか納得いかない気分になります。もっとも、その後7点取られてるのだから最初の2点なんてあってないようなものですがね!
6月11日(土)は、QVCマリンフィールドに行ってきました。カープ戦です。私の中で、とりあえずの今シーズン最終現地観戦です。何故とりあえずか、それはほらCSとか日本シリーズとか、あるじゃない。無いと思うけど、あるじゃない。
ちなみに結果は1-10で千葉ロッテの勝利です。いわゆるボロ負けでした。いくら私がロッテの渡辺俊介投手をわりと好きだとしてもそれなりにショック。サブマリン好きとしては、完封でなくてもったいないとも思うし、10点も取られた側としては一矢報いることが出来てほっとしたという感じです。1点とか2点だったら、2安打すらももったいないと思ったことでしょう。10点はやるせない。
さて、国技館に心を奪われていたころ、私は抜け目無く11日のビジター応援席を購入していたのですが、諸事情により内野に変更となりました。愚かな同僚が外野席を入手出来なかったので譲ったのです。まったく連中はナゴヤの教訓をどこにも生かしていない。全席指定のナゴヤドームで、直前まで行くか行かないか迷っているうちにビジター席が売り切れ、普通の3塁側外野席の中日ファンのど真ん中で孤立して辛かったと言っていたのに、今回も直前になって手配しようとしたらビジター席売り切れちゃったって。馬鹿め。私の彼氏も、知恵を付けろ、学習機能が無いのか、と言っていました。
しかし優しい私は連中が代わりにと購入した内野席と交換してあげたのでした。何故なら私も彼も騒がしい応援はあまり好まないからです。ただ、周囲があんまりロッテファンばかりだと、場違いな感じがするので、ビジター席以外はホームのファンで埋まっていると予想して、ビジターを取っていただけなので。
結論から言えば、心置きなく応援するならやはりビジター席、赤い皆さんに囲まれて、わりとまったり観戦するなら外野寄りの内野席、ですな。私は内野で十分。1階も2階も行けて楽しいし。私は観戦に行っているのであって騒ぎに行っているわけではないし。
QVCマリンフィールドは去年まで千葉マリンスタジアムという名前でしたが、今年からネーミングライツでQVCマリンフィールドと呼ばれるようになりました。おかげで場所が変わったのかとか、建て直したのかとか余計なことを考えてしまいました。作りは、わりと昔ながらの球場と同じです。内野席にぐるりと2階があるのがちょっと違うと言えば違う感じ。屋根があるので、そこは雨でも濡れないような、風が強い球場なのでそうでも無いかもしれない。私が2階席にいたときはけっこう吹き込んできました。最大の特徴は、風向きと風速がバックスクリーンに表示されることです。
開場は12時試合開始は14時なので13時くらいに行けば良いかと思っていましたが、前日入りして場所取りしてくれた———チケットの件で思うところがあったようです。せっかく譲ってもらったチケットだからなるべく良い席に行こうとか内野でも良い席に行けるようにしておこうとか———同僚に合わせて11時過ぎには海浜幕張駅に到着しました。神奈川県内では降っていた雨も、私は途中から地下鉄だったのですが地上に出たらすっかり上がっていました。西船橋では晴れ間も見えていたのに、南船橋ではかなり強い雨が。現地にいる同僚にメールしたら、ずっと降っているとのこと。人工芝だし、前日に試合が無くてシートをかぶせっぱなしに出来るとは言え、ちょっとどうかなあと不安になりました。
先に到着したらスラィリーと遊びに球場へ行っていると言っていた彼が、駅でチーバくんに夢中になっていて、結局一緒にシャトルバスで球場へ向かいました。しとしとと、強くは無いが傘無しではいられない程度の雨がずっと降っているまま、無事球場で同僚と合流して開場を待ち、開場とともに入場。
入ってすぐの感想は、神宮みたいな感じ。節電の影響か少し暗く、神宮よりは広いけれど球場の形に合わせてぐるりと囲むようにお土産屋さんやファストフードなどの売り場が並んでいます。内野のチケットでは、内野部分だけしかうろちょろ出来ず、外野のチケットだと外野と内野の両方をうろつけますが、スタンドへ入るにはチケットの提示が必要です。お高いシートもきちんとチケットの提示が必要なので、チケットホルダーはあると便利でしょう。雨ならますます、チケットはよれよれになってしまいます。
まずは内野の1階席に行って、前の方かつ通路すぐでフェンスが目の高さに入らないところを探して席を確保。雨だし試合前に食事をしたいので、持参した雑巾で椅子を拭いて東京都指定ゴミ袋を被せ、赤いカンフーバットを置いてカープファンよと主張し、邪魔な傘を置いてお土産や昼飯を漁りに。
まえけん弁当や生もみじ、カープびいき うまいじゃろ等、広島戦に合わせて展開していた商品や、ちばもつ煮込み等ご当地メニュー、そしてロッテリア。おお、これが噂のサブローバーガー! でもサブローは故障中なので、ホームランを打ったら360円になるのはまったく期待出来ません。本当は360円で利益が出る設定なのに、お楽しみ感を出したいがために球場マジックでお高い設定にしておいて、ホームランのときだけ360円とか、そういう思惑だったら感じ悪いなあと、お前こそ感じが悪いと言われそうな想像をしました。そうそう、サブローバーガーと佐世保バーガーは語感が似ているね。
土曜出勤を断って来た手前、お土産無しは気まずいだろう、10連敗で止まったときに「良かったなあ、見捨てずに応援していれば1度くらいは勝つもんなんだぞ」と声をかけてくれた横浜ファン———その「見捨てずに」とか「1度くらいは」に目頭が熱くなりますな———の上司ですから、無難に千葉グッズを買わねばと、マリーンズのクッキーを買っておきました。横浜とロッテの対戦成績、知りませんが。
あれこれ見ていたのですが、雨の中、席に戻って食べられるわけでもないので、フードコートで腹ごしらえしました。それから、とりあえず2階も全部見てみようと、2階へ行ってみました。2階は2階でグルメもいろいろあったのですが、もうお腹いっぱいだったのと、階段がけっこうキツかったのでスルーです。2階は屋根があるので濡れずに済む席もあり、とりあえず誰もいないあたりにどっかり座って一休みしました。
2階席は景色が良かったです。1階席より風が強かったですが、椅子が跳ね上げ式でないのでスクワット応援向きでしょう。背もたれが小さいので寄りかかれないのが難点ですが、雨に濡れないのは良い。風が強い分、少し寒いけど。
そんな感じで彼氏と寛ぎながら、外野にいるはずの同僚にメールで状況を確認したりスタメンについての意見交換等をしたり、のんびりしていたら試合開始まで後30分。周囲を見渡すと、いつの間にか人が増えていて、気がついたらお湯が煮立っていた的な。このまま2階にいついてしまう———1階に置いてあるものはビニール袋とカンフーバットと傘であり、雨天という状況でもし盗まれたとして困るのは傘のみだった———か、1階に戻るかしばし迷い、どうやら周囲はロッテファンが多い感じなのでとりあえず撤退しました。彼氏は対戦相手チームのファンが多い状態だと、スラィリーや坊やのハンドパペットで遊ぶのは気が引けるそうなので、嫌がるのです。ナゴヤでは中日ファンの真後ろで坊やと遊んでいたくせに。
一度1階の様子を見て、雨が酷そうだったら2階に移転しよう、場所はなるべく外野寄りで、とせっかく確保した1階席を放棄する選択肢を持ちながら1階へ行ったら、なんとか雨が止んでいて、しかも確保した席の周辺はものすごく混んでいて驚きました。せっかくだからこのままここで見るか、と席をもう一度雑巾で拭いて、東京都指定ゴミ袋に荷物を入れて足下へ。さすがに椅子の下は無理ですが、抱えているよりはずっと楽です。ビールも頼み易いし。そのビール、値段は同じなんですが、ヱビスと一番搾りとで紙コップの大きさが全然違いました(笑)
で、札幌のときと同じように、相手の応援に驚いたのよ。
なぜ、千葉ロッテマリーンズの公式サイトに、立ち上がっての応援は云々と細かく書いてあるのか、よーく分かりました。ロッテの応援は、どうやらずっと立ちっぱなしでやるようです。しかも、ぴょんぴょん飛び跳ねているのです。内野の2階席でも。あそこ、場所も高いし傾斜もけっこうあるので、飛び跳ねるのなんて怖いと思うんだけど。
ロッテの応援は手拍子が多く、鳴りものはあまり使わずドラムでリズムを取っていきます。それで、飛び跳ねながら歌うのね。すげえ体力。飛び跳ねながらなのに全体で聴くと途切れ途切れな感じにならず、きれいに聞こえます。なんと言っても10-1ですからロッテの攻撃、長い長い。おかげさまで、特徴のある応援歌をいくつか覚えました。短調が多いのが、渋い感じ。日ハムもそうでしたが、パ・リーグは短調の曲が多いのかしら。面白い。
一番感心したのは、DHで出ていた神戸! 神戸! 神戸! 神戸! で外野席が4分割されてウェーブっぽく、あれは手拍子なのかなあ、やるのです。20年近く前は、ハマスタや神宮ではウェーブがあったと思うのですが、今はああいうのはやらないのですね。私が球場へほとんど行かなかった高校3年生くらいから会社員2年めくらいまでの間に大きな変化があったのでしょう。良く知りませんが。広島も、その間に子供のころに見たしゃもじがスクワットになってましたし。
飛び跳ねない応援もあり、違いがいまいち分からないものの、ロッテは公式サイトにも選手の応援歌がキッチリ載っていて、統制と言う意味では日ハム以上でした。
カープのスクワット応援もかなりの運動量でしょうが、あんなふうに飛び跳ねながらずっと歌っていたら、さぞや疲れることでしょう。土日両方応援しまくっていたひとも多いかと思います。すごい体力。カープの攻撃はやたら短かったから、休むヒマも、ちょっと腹ごしらえも、なかなか出来なかったはずです。しかし9回まで声量があからさまに落ちるということもなく。
試合内容はボロ負けですから、愉快なものではありませんでした。弱いと言うより、ヘタクソ。ボークもあればエラーも出る。バントも決まらず、盗塁は失敗。走塁の判断も悪かった。満塁ホームランを打たれた後の投手の緊張感の切れ具合も酷いものでした。札幌ではヘタクソとは感じなかったのですが、今日はヘタクソだなと感じました。こりゃ勝てないよ。近くの席の少年も寝ちゃったし、私の彼氏も坊やとスラィリーを抱っこしたままうとうとしていました。ビール2杯飲んで、雨が上がって少し暖かくなって、腹もくちく、試合がつまらないとなれば寝るよね。
ただ、渡辺俊介投手は好きなタイプの投手なのでそれは楽しみました。スピード表記を見ていましたが、何球も続けてきっちり92キロだったかと思えば120キロくらいのストレートで決めてくる。最速150キロとか注目されますけども、配球次第で手も足もでないようなピッチングが出来るのですね。9回は少し乱れましたが、まったく見事な投球でした。素晴らしい。9回はきっと完封を意識して固くなったのでしょう。すぐマウンドに集まって声をかけていた、内野の気遣いも良かったです。
いやもう、ほんと脱帽としか言いようがないですね。
不満があるとすれば周囲のカープファンですね。再三好捕し、満塁ホームランを打った大松外野手、彼はレフトの守備ですから3塁側内野のすぐ近くにいまして、彼がフェンスギリギリのファウルを捕ったときも、普通のフライを普通に捕ったときも、「落とせよ!」とか叫ぶんですよ。なんて品の無い。
先日はホークスファンが「9連敗」と試合後にコールしたとかで少々もめたそうですけど、事実に過ぎない9連敗をコールされて怒るくせに他球団の選手には「落とせ!」と叫ぶ、もちろん同一人物では無いでしょうが、同じくカープファンと括れば、他人の振り見て我が振り直せと、思います。応援しているチームへの、愛あるヤジならまだしも、他の球団の選手に怒鳴りつけるように叫ぶ、近くにいて非常に不愉快でした。
近くにはロッテのユニフォームを着たひともいました。彼の気持ちを想像すると悲しくなりますね。ご本人は友人らしいカープのユニフォームを着た男性と肩をぶつけながら楽しそうに観戦していて、満塁ホームランに立ち上がって大喜びし、頭を抱えている周囲のカープファンに気付いて慌ててちょっと頭を下げながら座る、そんな控えめな態度でしたが、態度の悪いカープファンの声は耳に入っていたはずです。好きで応援しているのだから、他人を不愉快にさせるようなことをどうしてするのか、理解に苦しみます。
また、9回に1点入れたところでビジター席は大騒ぎ。待望の1点、完封は免れたという喜び、あったと思います。しかし、あのやけっぱちのような大騒ぎは、10点取られていてつまらなかった試合の、鬱憤を晴らしているとしか思えない感じでした。そりゃあ9回に一矢報いた選手たちの気合いと根性はちょっと嬉しかった。それでもあんなに大騒ぎするようなことかというか、なんかちょっと冷めちゃいました。今を逃したらもう騒ぐとき無いよ! という雰囲気もあり、飲んで騒ぎたいだけなんじゃないのこのひとたち、といぶかしく思いました。
そうだ、球場にもひとつだけ不満があって、内野席の1階の上のほう、2階との間に電光掲示板があるのですが、あそこにはフォアボールだの三振だの流れるのです。これがものすごく目がチカチカするし、まぶしいし、酔う。あれはダメ。
いやあ、ロッテも千葉に移転して良かったねえ。もう20年だものねえ。もうすっかり千葉で愛されて千葉の顔になっている。と、こないだの札幌と同じような感想になってしまいました。
ところで、チーバくんの着ぐるみは貸し出しがされているのですね! チーバくんはいつも同じチーバくんではなく、「ナカノヒトナドイナイ」とか、ドアラみたいな個性とか、そういうのとは無縁なのね。着ぐるみはいくつくらいあるんだろう。夢が壊れるよ千葉県公式サイト。チーバくんの日記はチーバくんが複数いるのにどういうことなんだ!
いやでもあれだね、「チーバくんの中の人はアリバイを主張しているが、その時間海浜幕張駅にいたのは別のチーバくんだ!」みたいなのはアリだな。着ぐるみって時点で中の人がアリバイを主張するのは難しいだろうけど。ああ、複数の中の人と複数のチーバくんで斬新な入れ替わりのトリックが作れるかもしれない。どうしよう。
どうもしないが。
新たな夢を見始めました。ありがとう千葉県公式サイト。
札幌ドームに行ってきました
そんな名前のお菓子をドームで買ってきました。
5月28・29日、一泊で札幌へ行ってきました。2008年以来の北海道訪問です。
主な目的は28日(土)の札幌ドームでの広島戦観戦でしたが、同行した彼氏が北海道は初めてとのことなので、ベタに時計台やらクラーク博士やらちゃんと観てきました。また、私はこれまで夕食はホテルでとることが多く夜は出歩かなかったので、すすきの初体験でした。さすが天下のすすきの。全国に名を轟かせる繁華街。あれで節電で控えめ、かつ不景気で少々寂れているなんて。すごいなすすきの。
28日の夜は、野球を観た後少し疲れたのでホテルに行って荷物を置いて、ちょっと一休み……と思ったら2時間くらい寝てしまいました。21時くらいからやっと食事に出たので、21時で閉店するお店ばっかりだったらどうしようと心配しましたが、全然そんなこと無かったです。23時くらいの錦糸町みたいな感じでけっこうひとが歩いていました。分かりにくい例えですかね。
この、すごいなーすすきの栄えてるなー立派だなーという気持ちをどう表現したら良いのでしょうか。雰囲気的には大規模な伊勢崎町って感じなんですけど、もっと道が広くて、新宿や渋谷みたいなごみごみした感じややたらと高い建物がみっしりあるような圧迫感や閉塞感も無くて、でもしっかり歓楽街なんですよ。迷子になって狭い路地にも入ったのに、清潔な感じというかいかにもといういかがわしさが足りないというか。品の無い呼び込みもあんまり見かけなかったし。東横インとか普通のホテルも大きくて立派なのがあって、でも飲み屋もたくさんあるの。
もっとこう、天井が低い感じの、汚らしい白々しい街を想像していました。
ものすごく分かりにくい感想だな。
えーと、食べたジンギスカンとアイスクリームの話はまた後日。
さて、ぼくらのカープは、予想通りというかむしろ予定通りに下方修正が入ってきました。信頼と実績の定位置もしくは低位置へ向かって順調に4連敗です。毎年毎年、よくもまあ最下位にならないものだと感心します。
今年の現地観戦は、6月11日(土)のマリンでいったん終了の予定です。いつものカープではなく、20年前のカープみたいなことになったら、9月末の神宮・ハマスタ5連戦だか6連戦だか、全部行っちゃっても良いかと思いますが、たぶんそんなことにはなりません。神宮も東京ドームも去年行きましたから、来年は是非西武ドームに行きたいですね。あと甲子園とKスタ宮城。とりあえずマリンは楽しみです。
個人的にはあんまりドーム球場は好きではありません。開放感が無いからです。東京ドームへ初めて行ったときなんだか狭苦しくて子供心にガッカリしたのが原因かもしれません。古くてもぼろくても狭くても、ハマスタと神宮は気持ちが良いです。マツダは広くて綺麗で、ハマスタや神宮と違ってぐるりと一周出来て楽しかった。ナゴヤは、東京ドームよりずっと爽やかで、ドーム球場も良いものだと見直しましたが、その後ハマスタへ行ったらやっぱり暑くても眩しくてもオープンが良いなあと思ってしまいました。
いやもうオープン球場は、春と秋のナイターはひたすら寒いし、夏のデイゲームは暑いし焼けるし目まで痛くなるし、梅雨時や台風では雨に打たれるし、夏の夜のハマスタは潮風が臭いし、神宮は周囲のビルがうざいです。高速もうるさいし夜でも蒸し暑い。ドームはすごく快適ですよ。それはもう、驚きの快適さです。
でも、デイゲームが終わる頃、少しずつ暗くなっていくときの美しい夕焼けとか、ナイターが始まる頃の、ああ夜になったんだなと実感するような冷えた風とか、ベイスターズなのに全然星なんか見えないし国立競技場のほうが球場より盛り上がってたり、清々しさとトホホな感じが、私は好きです。天然芝だともっと良い。
札幌ドームは、少し空が見えたし、ほとんどぐるりと周れたし、球場の外も広くて良かったです。ここで新庄が大暴れしてたんだなあ。難点は階段が多いところと地下鉄が遠いところ。でも天気が良ければ周辺をあちこち散歩して楽しめそうです。冬期のことを考えるとドームにするのが現実的でしょうし、外観もスマートで眺めるだけでもわくわくしてきます。
28日は試合前は好天で、芝生がきらきらしていました。試合前に2キロほど歩いてクラークさんを観に行くはずでしたが、姿を現したスラィリーに心を奪われた彼氏が、ハーメルンのなんたらのようにぴょこぴょこついていってしまい、しっぽをつかんだりお腹を触ったり握手したり写真を撮ったりおおはしゃぎ。それでドームの周りをほぼ一周してしまいまして、疲れてしまったし開場してしまったので散歩は出来ませんでした。
日ハムは応援がとにかくカッコ良かったです。おーまーえーがーきーめーてーくーれーーーーーい!な!ばー! でしっかり打たれたこちらとしてはガックリもいいところですが、日ハムの皆さんは優勝したかのような大騒ぎ。サヨナラ勝ちに喜ぶ気持ちは分かる。例えデッドボールで押し出しても嬉しいもんね。だからそれは良いんだけど……畜生稲葉カッコいいじゃねーか! と悔しい。しかも稲葉ジャンプ、撮れなかった。
日ハムは応援の種類がたくさんあって、グッズも色々で、ナンバルーンという背番号のビニル風船や、金子誠には新撰組デザインの「誠」の旗、田中はピンクの大きな手袋みたいなものなど、あれこれ打者ごとに変えるのが忙しそうでしたが見ていて楽しかったです。遠征して来たファンがどのくらいいたのか分かりませんが、北海道のひとに愛されているチームだなあと感じました。移転して良かったね、と思いました。その昔、出来たばかりの東京ドームに行きたがった私は父から「巨人戦はチケットなかなか取れないけど、日ハムなら取り易い」と言われたことがあります。そんな切ない立場でいるよりも、立派なホーム球場があって熱心なファンが多くいるのなら、半端に東京にいるより良いんじゃないかと。プレイスタイルも堅実で派手さは無いけど———新庄はやたら派手だったけど———応援は派手でカッコいい。こういうチームは素直に良いなあと思えるし、尊敬出来る。負けりゃ悔しいけど。
負けたことよりも、せっかく復帰した大竹がピッチャーライナーで負傷降板し、どうやら骨折らしいという話のほうがショックです。
ショックと言えば、羽田ですでに赤いひとたちがいたるところにいたのがショックでした。自宅から赤リンゴバッグなんて恥ずかしい、どうしようと悩んでいた自分が馬鹿馬鹿しくなるほど、羽田で既にユニフォーム。スーツ姿の男性の持っているスポーツバッグが真っ赤。おしゃれなお兄さんのジャケットの裾から覗くシャツが赤い……前から見ると胸に鯉が。小さな女の子の髪に赤いシュシュが。三越にお買い物かしらという出で立ちのおばさまの素敵な鞄から赤いカンフーバットがちらり、首に巻いたスカーフには鯉。アロハシャツの男性の麦わら帽子に赤いライン。どこからどうみてもビジネスマン風の渋いおじさんの、いかにもビジネスマンな鞄についているネームタグが坊や。ギャル風の派手な女性が自販機の前でバッグから取り出した小銭入れは赤い帽子の形。すごくすごく普通の格好の白髪の夫婦の手首にお揃いの真っ赤なリストバンド。
注意深く周囲を伺うと、分かり易くユニフォーム姿から、iPodのイヤホンまで、思い思いのグッズに身を包んだひとびとがあちこちにいました。空港で待ち合わせした彼氏が赤い何かを身につけていないと飛行機に乗せてもらえないのではないかと言い出すほどです。もちろん、全然関係ないひとのほうが圧倒的多数でしたが、まさか目的を同じくするひとがこんなにいるなんて。
ああ驚いた。
まあでも、マツダでナイターのあった日、厳島神社に中日ユニフォームのひとたくさんいたし、デイゲームの早朝最初の新幹線が着いた頃、中日ユニフォームのひとが何人も広島駅から出て来たし、名古屋ドームで試合のあった日の昼間に名古屋城で坊やTシャツのひと見かけたし。
ハマスタで試合のある日は、朝からみなとみらいに黄色いユニフォームのひととかいるんでしょうか。見たことないけど。