割引美人

妄想と事実を区別せず遠慮なく垂れ流し

富士山ぐるり

2011.06.13 Monday[20:03] 散歩 - -

 最後の高速1000円だからと彼氏が出かけたがるので、6月5日(土)にちょっくら富士山周辺をうろついて来ました。最初の目的地は、JAかながわ西湘が運営している朝ドレファーミです。JAかながわ西湘でしか売っていないらしい、梅ジュースの購入をするためです。もっとも、この目的は直売所を出てから聞かされました。
 このとき彼が、野菜なんか今買ってもこれから出かけるのに、傷むぞ良くないぞと言うので、保冷バッグあるけどと答えたらやたら驚いていました。しかし、数日前に「もし小田原へ行くなら干物屋と蒲鉾屋に行くから冷え冷えバッグが必要だぞ」と言っていたのは彼です。素直に従っただけなのに。
 用意が良すぎる、抜け目のないうさこ好きめ、とわけのわからん悪態をつきながらも「ただの池だが見るか」と言い出しまして、見たいともどうでも良いとも言っていないのに忍野八海に連れて行かれました。私はここは初めてでしたので、なかなか面白かったです。池ね、確かに池だわな。でも、ただの池にしては深い。天然記念物なんだぜと主張する表記の近くは浅いようで、底に水草が生え、水の色も無色透明でしたが、富士の雪解け水だぞと主張する表示のあたりは青色だったので、恐らく赤や橙の光が届かない深さなのでしょう。具体的にどのくらいか忘れましたが。物理の授業はいつも中途半端な知識を私に残します。とにかく、長いほうの直径が4メートルくらいの楕円で、その楕円の端と端でそんなに深度が違うのはすごいもんだと思いました。
 写真をあれこれ撮りましたが、逆光になったり水面に他の観光客が映り込んでしまったり、肖像権的にもホイホイ出せない感じなので、心にしまい込みました。だってほら、不倫旅行の現場を激写していてアリバイ写真が無駄になったなんてそんな言いがかりつけられたりしたら困るじゃないですか。この写真をきっかけにうちの娘にストーカーが、とか。
 奇麗は奇麗なんですが、彼が言う通り「ただの池」ですから、海みたいに水面の動きが色々あるわけでもなし、15分も見ていれば飽きます。私がしゃがみ込んで真剣に魚の鱗を数えてみようと思ったところで、たくさんのお客さんを連れたガイドさんが来て「皆さんどうぞー」って。落ちるかと思った。池に。どうぞって言われたからって、そこにいる人間をどかしていいわけじゃないでしょうに。あと、中国語っぽい言葉の少年が走り回っていて何度もぶつかって来て、親は知らん顔とか。ああもう観光客ってさ……いや、私も観光客だった。ご同様ですか、おお嫌だ。
 そんな私の心境の変化を察したのかどうか分かりませんが、「ただの池」に3度目の彼は、こないだと色が違うな程度で感激は薄く、豆腐を買いにいくぞとさくさく駐車場へ戻っていきました。しかし、来るときとはルートを変えて、水路の側を通り抜けました。

 買いに行った豆腐屋は豆ふの駅・角屋豆富店です。豆腐の「ふ」が「富」になっているのがしゃれてますな。こちらでは、試食の上で購入出来ます。出ているほとんどを試食出来るようですね。これは助かります。そんなビックリするほどの値段ではないとは言え、一味豆腐なんて、試食無しで買うのは冒険ですから。ゆずも一味も紫蘇も胡麻もおいしかったですよ。ただ、1丁食えと言われると、好みの問題で難しい種類もあると思います。辛いの苦手とか、味付きは苦手とか。
 参照URLの、お店の外観の写真、建物の左下に「水」とありますが、このお水は貰って帰れます。タンクをいくつも持って給水しているひとが何人もいました。東北のニュースでよく見る光景に似た感じです。私は、500mlビタミンウォーターの残り数センチを飲み干し、ちょいと給水じゃばじゃば振って飲み干す×2のあと、満タンにして一本持って帰りました。
 豆腐は、別にやたら高いというわけでもないのに、にがりの味が余りしない、大豆の味が濃い、美味しい豆腐でした。問題は、帰宅したらスーパーのいわゆる普通の安い豆腐の冷や奴が、たくさん食卓に並んでいたことですかね。
 親との連携が悪かった。しょうがない。

 豆腐を買って、もう終わりかと思いましたが、「白糸の滝は見たことあるか」「あるよ、たしか子供のころ」「……もう帰る」「いやー、見たいなあ、白糸の滝ー(棒読み)」「そんなに言うなら連れて行ってやるのだ」というやり取りの末、白糸の滝を観に行くことになりました。途中に寄った「道の駅 朝霧高原」のこけももソフトクリームは美味しかったです。
 忍野八海の近くには、フラワーパークがあるとかで、そこのチューリップソフトも美味しいのだと彼は言っていました。こけももソフトの味を少し薄くした感じで、アセロラっぽい感じらしいです。想像つきません。
 道の駅を出てわりとすぐのところに、パラグライダーのスクールがあって、一日体験も出来るようでした。駐車場が広かったので勝手にお邪魔し、丘の斜面からぽわーんぽわーんと飛んでいる様子を30分ばかり見学しました。K点越え! とか適当に実況しながら。斜面に沿って下まで降りてくるので、ゆっくりとしたスキーのジャンプ競技に見えるのです。あれはあのパラシュートを背負って丘の上まで上がるのが大変そうですね。かなりの重労働でしょう。いや別に労働じゃないのか。重趣味??? なんだろ。
 丘に登らず、平らな地面で練習しているひとの様子は、凧揚げみたいな感じでした。でかい凧揚げ。それでも、体の正面でやっているときはたくさんの糸を操っていてマリオネットでもやっているようでしたが、飛ぶときはパラシュートは背面側ですから、それに合わせて背中をチラチラ見ながら糸を操っている様子は、そろそろラストスパートしようかと思うんだけどどうしよう、というときの長距離ランナーのようでした。円谷幸吉には向かないスポーツですね、パラグライダー。丘で練習しているひとたちは、先生と思われるひとが後ろから支えたり抱え込んだりしていたので、ゴルゴも無理でしょう。
 白糸の滝は、シーズン前なのか、まだ滝の正面のお店はオープンしていませんでした。水量が多く、あんまり糸っぽく無い感じ。どかどか落ちて来ていましたので。私は滝は好きですから、けっこう飽きずに眺めていましたが、近くに三脚やらレリーズやら、ものすごく本格的に撮影する気満々なひとが集まって来たので、退散しました。お互いだいぶお腹が空いていて迷いつつも、東名の渋滞が嫌なのでそのまま帰りました。ナビの真っ赤な表記が少しずつ増えて行くのを見守りながら、本格的な渋滞の手前で高速を降りました。
「1050円です」とのこと。高速1000円の恩恵よりも、富士山周辺の有料道路の、無料化社会実験のほうがよほど有り難みのある道行きでした。

 で、帰宅する頃に気がつきました。ヒマで静岡行ったなら、ガンダム見てくれば良かったじゃないのと。
 こないだANAで、行きも帰りも客室乗務員に「ガンダムのハガキ下さい」と頼んだしょうもない二人連れだったのですから。
 え、あ、壁紙はダウンロードしましたよ。それから、ANAのガンダムは第2弾のOOがカッコいいかと思って、職場のガンダム好きへハガキを横流ししてみました。

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