割引美人

妄想と事実を区別せず遠慮なく垂れ流し

負ける前・最中・後

2011.07.05 Tuesday[20:25] 散歩 - -

 今日は主に食べ物の話を。今さらを通り越して思い出話ですが、5月末に札幌で食べたもの色々。
 札幌ドームでは、gurume BINGOツアーというものをやっていて、台紙もいただいたのですが一つもぺたりと出来ませんでした。だって、食べたいもの無かったんだもの。最初から、札幌ドームでは「スパイシーハム勝つ丼」を食べる! と決心して来ていたので、そのプリンスホテルが提供しているらしいお店を探して歩きました。とりあえず席を確保してから。
 節電なのかなんなのか、とりあえず節約はしているようで、見ているとどのお店も箸は袋に入っていないし、お弁当のようなものを買っても袋は無いし、飲み物のフタも無いようでした。球場のほとんど全部を見て歩けるのはマツダズームズームと同じような作りだなあと思いながら、1塁側外野の席から反時計回りにぐるり。球場の円周の外側に沿って、1階は主に内野席に、2階は一周まるまる、お店が並んでいます。
 1階は通常通りか節電モードか、暗く感じましたが、そんなのどうでも良いと思う光景が広がっていました。食べ物を購入したお客さんが、2階へ行く階段に座り込んでそのまま食べているのです。
 なんだこれ、行儀悪い。
 正直そう思いました。これ、北海道の文化なのだろうか? 床にお店を広げてグッズを販売している一角があり、そういうのも含めて邪魔にならないように気を遣いながら地べたに座るのが、北海道スタイルなのか? わりと本気でそう感じました。
 しかし、たぶん、これは文化ではなく、球場の事情なのだろうと15分後くらいに察しました。事情とは、前述した節約志向がまずひとつ。飲み物にフタが無く、食べ物にもフタが無く、箸やスプーンは袋に入っていない。これでは買ったその場で食べるのが自然な流れでしょう。そのまま食べ物を持った状態で、あちこちのお土産屋さんを覗いたりトイレに寄ったりはまず出来ません。恐らくそれで席へ食べ物を持ち運ばずに、仕方なく階段を椅子とテーブル代わりに手早く食べるのです。
 それから、お高いシートは分かりませんが、一般もビジターも外野席は通路も狭く、席と席の間も狭く、食事するには窮屈だからです。椅子もあまり大きくないし、前の席とのスペースがとても狭い。かろうじて飲み物を置くホルダーはありましたが、のんびり食事という感じではありません。ナゴヤは内野に近いあたりとバックスクリーンの側では椅子が違いました(跳ね上げ式とそうでないの)が、席そのものはゆったりとした設計でした。通路間の席の数も、ナゴヤのほうが少ないし、足下も広かったです。
 しかし、札幌ドームは一人当たりのスペースが狭いのです。小柄な私の膝が前の席に当たりそうなくらいですから、中肉中背の男性では間違いなくぶつかるでしょう。そこで買って来た食べ物を、しかも跳ね上げ式の椅子で、フタも無いのに荷物を整理したりゴミ袋を自前で用意したりしながら食べるのは面倒です。それが分かっていたら、そりゃあ階段で食っちまうわな。ゴミも近くのゴミ箱に捨てれば良いし。
 階段に座り込んでの球場グルメは、やっぱり札幌ドームの文化のような気がしてきました。道民の文化ではないのだろうけど、ドーム内で育まれた文化のように感じます。
 と言うわけで、何も知らない私はスパイシーハム勝つ丼をビジター席で隣のひとに肘をぶつけては謝りながらなんとか食べていたわけですが、周囲はちょっとしたつまみ以外は席に持って来ていませんでした。だよねー。
 ハム勝つ丼は美味しかったですよ。球場の食べ物はジャンクなものが多いけれど、入れ物は安っぽいものの中身は普通でした。ちょっと味が濃い以外は、量にも値段にも文句無し。

 球場グルメはもうひとつ楽しみにしていたものがありまして、それはシャウエッセンのソーセージを使用したホットドッグです。3階の、ホットドックパークという売店で販売されています。シャウエッセンロングドッグ 道産ゴーダチーズ、400円でこのボリューム、箱ティッシュの3分の2くらいはありますかね、パンも美味しいしソーセージも美味しいし、食べごたえがありました。
 北海道の物価を良く知らないのですが、球場ではたいていのものがかなり割高で販売されていることを考慮すると、400円でこの味でこの量、満足の出来る商品です。これは当たりだった。るるぶ北海道の球場グルメのオススメを信じて良かったと思いました。

 さて、稲葉に打たれて負けた後、それでも試合後の花火や新庄のホームスチールの写真を楽しんで地下鉄へ向かいました。地下鉄までが遠く、雨が降っていたので少々うんざりしました。29日に歩いてみたらたいした距離では無かったので、負け試合の後、暗い中大勢でゆっくりしか歩けなくて、道も知らず周囲に着いて行くだけだったために遠く感じたようです。ナゴヤほど近くはないですが、神宮から信濃町よりはずっと近いです。あれはたまに迷子になって千駄ヶ谷に着いてしまう。地下鉄のつもりがJRじゃないかと落ち込みます。私だけですかね。いや別にどっちでも帰宅にはまったく困りませんが、思ったところに着かないのはちょっと悲しい。
 地下鉄は豊水すすきので降りてまずはホテルへ。途中でテレビ塔が目に入りました。私は、ああテレビ塔、だいぶ近いんだなと思っただけでしたが、彼氏は「おお、テレビ塔っぽいのがあるぞ」と楽しげな声をあげ、本物だと思っていませんでした。
 私は混雑した地下鉄に酔ってしまっていたので、チェックインの手続きも彼に任せてふらふらと部屋へ。それから彼がフロントでもらった地図を確認して「えーっ! あれがほんとにテレビ塔なのか! 明日の観光がひとつ既に終わってしまったではないか!」と嘆くのをうとうとしながら聞きました。ホテル予約したのお前だろうが。
 疲れていたので寝てしまい、21時過ぎからやっとこさすすきのへ繰り出しました。札幌は何度か行ったことがあるのに、すすきのは初めてです。寝てしまったのがもったいない。2008年に両親と北海道へ行く際、素敵なお姉様に教えていただいたオススメのお店には夜に出歩くのを好まない両親のおかげで行かなかったので、今回はわくわくでした。
 まずは腹ごしらえ、ということで夜空のジンギスカンへ。ユッケなご時世で腰の引けた私と彼氏は、夜空の味漬けジンギスカンを選んでみました。何をどうして良いのか心底分からないので、店員の若い女性にあなたのオススメや定番を適当に! とまさに適当な注文をしたところ、味付けジンギスカンとエゾシカになりました。夕方まで球場で多少飲み食いしていたため、そんなに空腹ではなく1人前ずつです。それから〆はうどんかご飯と言うので、うどんを。彼はさんざん、サッポロクラシックを飲んでいたくせにまたビールでした。そして私には肝臓がどうとか言って飲ませてくれません。もう治ったっつーの肝臓は。
 ジンギスカン、ふたりとも初めて食べましたが、くせのある肉を想像していたのに全然でした。ものすごく普通。もちろん、牛や豚とはまったく違うのですが、だからどうと言うことも無く。味付けだからかなあ。生ラムだともっと全然感想が違うのかもしれません。エゾシカもあっさりしていて気に入りました。
「奈良の鹿はいじめてもいけないのにエゾシカは食べても良いなんて不公平だな」
「いやエゾシカだっていじめたらダメだろ」
「そうなのかな、あ、撃ちたいの? もしかして」
「撃たないよ。動く標的って興味持てない」
「そうか、僕もなるべく動くようにしよう」
「そうだね。良いダイエットになるだろうよ」
「……」
 害獣とされるエゾシカと、天然記念物なだけに退治するわけにいかない奈良の鹿、どっちが扱い易いかというと前者のような。奈良の鹿も不憫だな。名誉職を与えられた窓際族みたいになってしまいそう。
 エゾシカ美味しい。また食べたいものです。次回は生ラムを試してみたい。でも生肉は危ないのよね……管理がずさんで死人を出した某社はあっという間に解散してしまい、ああ、企業ってこうよね、信用を失うことがほんと命取りなのよね(我が社も気をつけねば)と思いました。管理がずさんで死人を出している某社は節電しろとか電気代上げるとか利用者に更なる負担を求めて相変わらずの殿様商売しているけど。

 その後はアイス。HOKKAIDO ミルク村 SAPPORO本店へ行きました。23時ラストオーダーで24時まで営業しています。我々は22時半ごろ到着しましたが、まだだいぶ混雑していました。こんな夜中に? と思いましたが、おめーもだろと自己ツッコミ。
 お店の中は、ここも節電か? どいつもこいつも節電節電でまったくこんなに暗くして! と思いましたが、よく考えなくてもここはバーという扱いなので暗くても当たり前なのですね。なんでバーはあんなに暗いんだ、弱視のひとは困っているだろうに、ユニバーサルデザインとか何も考えてないよな階段があって地下に入るところも多いし、入口があんなに狭くて避難経路はきちんと確保されているのだろうかと、私はバーについてあまり心証が良くないので、このアイスのお店も入るなりちょっと不機嫌になりました。
 しかし彼氏は独特の雰囲気と入口の可愛い動物クッキーに心惹かれてみたり、上機嫌のようでした。私が行きたがって彼が着いて来て、それで彼がご機嫌ならまあ良いかと、案内された狭いテーブルに、これまた大戸屋レベルの狭さだなと眉をひそめつつ着席しました。この辺りまでは、失敗したとは思わないがすんごく楽しい感じでも無い、という評価です。
 隣の席の若い男女、恋人同士ではなく片方が既婚者で、後輩の女子社員をちょっと女の子が喜びそうなお店に連れて来たという感じで、蘊蓄を垂れ流してみたり仕事のアドバイスを偉そうにしてみたり、それ観察しているのも面白いような不愉快のような中、わりと腰の低くない店員がオーダーを取りに来まして、ここでも私は良く分からんからオススメで! と適当な注文をしました。
 このアイスを食べられるバーは、アイスクリームにリキュールを少量ずつかけて味わうことが出来ます。カクテルアイスクリームバーと呼ぶようです。とりあえずセットメニューから、Aセットのアイスクリーム・リキュール2種・クレープとヨーグルト+コーヒーを2人前。頼んでから、片方をBセットのアイスクリーム・リキュール3種+コーヒーにしたほうが種類を多く楽しめたはずだと気付きましたが、後の祭りというやつです。浅慮でした。
 何を選んだか忘れましたが、彼は明らかにウキウキな感じでゴディバと巨峰だったかな……白ワインと、何かをとにかく選びました。実は私はもうすでにだいぶ眠かったのです。
 紅茶のリキュールはサービスだと、小さな札をつけられた少量のリキュールが入っているやたらと小さなワイングラス———5mlビーカーよりは大きいが10mlは無さそうなサイズ———とマグカップに入ったアイスクリームが運ばれ、食べ方を一通りレクチャーされてから、最初の一口には驚きました。えー何このアイス。ちょっと柔らかすぎるし、クリームよりもシャーベット的な舌触り。味は恐らくバニラだろうけれどまったく強くないし、いかにも乳製品ですというような濃厚さが無い。特徴という特徴は感じられず、あっさりしていてスーパーカップだってもうちょっと味があるぜ。思わず彼と目と目で会話してしまいました。未確認ですが、恐らく彼も「どっちかというと美味しくない部類だぞこのアイス」という顔をしていました。
 正しい食べ方を指導する店員さんの前で「アイスそのものは美味しくない」とはさすがに言えず、えーーーーと思いながら指示されるままにリキュールを垂らして一口。
 ごめんさっきのアイスの評価、間違ってました。
 なるほどリキュールと一緒に食べたときに美味しいように、アイスそのものの味は抑えてあるのね。考えれば当然ですが、リキュールを垂らすだけで劇的に味を変えるアイスにたまげました。彼も大喜び。きみは肝臓が悪いから控えめにしなさいと私のぶんのリキュールを使いまくり。私の肝臓は治った(はずだ)し、お前のメタボのほうが深刻だろうといじめつつ、アイス終了。そしたらすかさず店員さんが「おかわりは?」って。おかわりあるのか。最初に説明あったっけ?
 おかわりは大盛りでも良いとのことでしたが、私は眠く、彼もだいぶお腹いっぱいだったようなので二人とも「普通で」と頼みました。ええ、おかわり、しましたとも。
 ほとんど閉店ギリギリまで過ごし、最後に可愛い動物のクッキーをいただいてお店を出ました。これで1390円なら安いくらいですな。最後まで居座っていたのは、彼がカエルのクッキー、どこから食べようか悩みに悩んでいたからです。結局一口で食べてました。

 24時近くなって宿へ戻り、明日どうするーと喋っているうちにいつの間にか寝ていましたので、早朝3時くらいに風呂に入り2度寝しました。10時過ぎればどこかお店も開くだろうと、観光しながら札幌駅まで徒歩で行くことにして、のんびり散歩。昨夜のうちに発見してしまっていたテレビ塔で、一応観光客らしくお土産を買ったりしました。上には上がってないのですけど。そこから時計台までまた徒歩。観光地をうろついているのでしょうがないのですが、恐らく昨日同じ場所にいたのであろう、赤いグッズに身を固めた人々が、あちこちにおりました。
 札幌駅でお土産屋さんを冷やかしつつ、少々足を伸ばして北大まで。ここでも赤いグッズがちらほら目に入ります。そのちょっと前に学会で北大行ってたんだよねーと後輩から聞いた、2004年の台風で倒れたというポプラ並木を確認してから、北大の食堂へ行きました。11時開店で、やっと朝食です。
 ここもるるぶにメニューが紹介されていたものがあるのですが、私は普段通りの食事とほとんど同じ、米飯・みそ汁・青菜のおひたし+小魚・焼き魚というメニューでした。レシートにはカロリーと、塩が何グラムだの細かい表記があります。私は291kcal。しかし、彼は名物と紹介されていたササミチーズカツと、新商品だかなんだかの豚肉丼みたいなやつと大きめの豆腐、サラダを頼んでカロリーは900近く。これだけを見ても彼と私の体型の違いに納得がいくというものです。
 球場でさんざんやったんですけれども、ガイドブックに書いてあったからってそれ全部食べてみるって、馬鹿の一つ覚えみたいで間抜けだよなあ。ぱっと見で食べてみたいもの食べれば良いじゃん。でも、美味しいよって紹介されていると、やっぱり食べたくなってしまうのです。そんでお腹いっぱいになるので、その他の目についたものを食べられない。
 悪循環だなあ。やはり同じところを何回か訪問しないとダメなのかもしれません。尾道ラーメンと讃岐うどんは、店なんか全然調べずに行って目についたところで食べましたが、譲ってそこまでって感じ。好奇心はあるんだけど冒険は苦手なので。ドラクエ以外は。
 食事の後、外に出たら雨が降っていて、大通公園を散歩するというプランにすっかり嫌気がさしたらしく、彼が行くとこ無いなら野球観ると言い出したため、再び札幌ドームへ。食べたばかりなので球場グルメにはあまり気持ちが向かず、そのくせアイスクリームに興味を示し、ビールを飲む彼。いやほんと太るひとは食生活が違う。そんなに食うならスクワット応援しろ。

 飛行機にギリギリは嫌なので、8回あたりで途中退出した後、空港での夕食は彼が悩みに悩んだ結果札幌ラーメンになりました。結局スープカレーは食べていません。スープカレーと札幌ラーメンで悩みまくり、両方食べようかとまで言い出すので呆れました。どちらかがラーメン、どちらかがスープカレーで解決のはずが、ラーメンは醤油と塩を試したいんですって。観光客向けなのは分かっているけどコーン入りが気になるとか。腹がふくれることを第一義とする私とは考え方がまるで違います。
 お土産は、とりあえずラーメンとスープカレー、六花亭のバターサンドと、同僚から指定のあったバームクーヘン、別の同僚から指定のあったジャガピリカ、ジャガイモから作ったおかき、そんなところです。彼氏は、北海道へ行ったとバレると困るからと、羽田に着いてからお台場土産を買っていました。なんでバレると困るのかちっとも分かりません。
 羽田に着いて横浜行きのバスに乗ったところで彼からメールが来ました。「バターサンド買えば良かった。美味しそう」
 デパートの北海道物産展をチェックしまくれ、と返事しておきました。

 そのうちまた北海道来たいですね。野球はとりあえずもう良いので、まだ行ったことの無い十勝や宗谷、帯広に行ってみたいです。いやあの、負け惜しみじゃないです。悔しいけど、稲葉、かっこいいんだもん。武田勝、好きな投球するんだもん。

富士山ぐるり

2011.06.13 Monday[20:03] 散歩 - -

 最後の高速1000円だからと彼氏が出かけたがるので、6月5日(土)にちょっくら富士山周辺をうろついて来ました。最初の目的地は、JAかながわ西湘が運営している朝ドレファーミです。JAかながわ西湘でしか売っていないらしい、梅ジュースの購入をするためです。もっとも、この目的は直売所を出てから聞かされました。
 このとき彼が、野菜なんか今買ってもこれから出かけるのに、傷むぞ良くないぞと言うので、保冷バッグあるけどと答えたらやたら驚いていました。しかし、数日前に「もし小田原へ行くなら干物屋と蒲鉾屋に行くから冷え冷えバッグが必要だぞ」と言っていたのは彼です。素直に従っただけなのに。
 用意が良すぎる、抜け目のないうさこ好きめ、とわけのわからん悪態をつきながらも「ただの池だが見るか」と言い出しまして、見たいともどうでも良いとも言っていないのに忍野八海に連れて行かれました。私はここは初めてでしたので、なかなか面白かったです。池ね、確かに池だわな。でも、ただの池にしては深い。天然記念物なんだぜと主張する表記の近くは浅いようで、底に水草が生え、水の色も無色透明でしたが、富士の雪解け水だぞと主張する表示のあたりは青色だったので、恐らく赤や橙の光が届かない深さなのでしょう。具体的にどのくらいか忘れましたが。物理の授業はいつも中途半端な知識を私に残します。とにかく、長いほうの直径が4メートルくらいの楕円で、その楕円の端と端でそんなに深度が違うのはすごいもんだと思いました。
 写真をあれこれ撮りましたが、逆光になったり水面に他の観光客が映り込んでしまったり、肖像権的にもホイホイ出せない感じなので、心にしまい込みました。だってほら、不倫旅行の現場を激写していてアリバイ写真が無駄になったなんてそんな言いがかりつけられたりしたら困るじゃないですか。この写真をきっかけにうちの娘にストーカーが、とか。
 奇麗は奇麗なんですが、彼が言う通り「ただの池」ですから、海みたいに水面の動きが色々あるわけでもなし、15分も見ていれば飽きます。私がしゃがみ込んで真剣に魚の鱗を数えてみようと思ったところで、たくさんのお客さんを連れたガイドさんが来て「皆さんどうぞー」って。落ちるかと思った。池に。どうぞって言われたからって、そこにいる人間をどかしていいわけじゃないでしょうに。あと、中国語っぽい言葉の少年が走り回っていて何度もぶつかって来て、親は知らん顔とか。ああもう観光客ってさ……いや、私も観光客だった。ご同様ですか、おお嫌だ。
 そんな私の心境の変化を察したのかどうか分かりませんが、「ただの池」に3度目の彼は、こないだと色が違うな程度で感激は薄く、豆腐を買いにいくぞとさくさく駐車場へ戻っていきました。しかし、来るときとはルートを変えて、水路の側を通り抜けました。

 買いに行った豆腐屋は豆ふの駅・角屋豆富店です。豆腐の「ふ」が「富」になっているのがしゃれてますな。こちらでは、試食の上で購入出来ます。出ているほとんどを試食出来るようですね。これは助かります。そんなビックリするほどの値段ではないとは言え、一味豆腐なんて、試食無しで買うのは冒険ですから。ゆずも一味も紫蘇も胡麻もおいしかったですよ。ただ、1丁食えと言われると、好みの問題で難しい種類もあると思います。辛いの苦手とか、味付きは苦手とか。
 参照URLの、お店の外観の写真、建物の左下に「水」とありますが、このお水は貰って帰れます。タンクをいくつも持って給水しているひとが何人もいました。東北のニュースでよく見る光景に似た感じです。私は、500mlビタミンウォーターの残り数センチを飲み干し、ちょいと給水じゃばじゃば振って飲み干す×2のあと、満タンにして一本持って帰りました。
 豆腐は、別にやたら高いというわけでもないのに、にがりの味が余りしない、大豆の味が濃い、美味しい豆腐でした。問題は、帰宅したらスーパーのいわゆる普通の安い豆腐の冷や奴が、たくさん食卓に並んでいたことですかね。
 親との連携が悪かった。しょうがない。

 豆腐を買って、もう終わりかと思いましたが、「白糸の滝は見たことあるか」「あるよ、たしか子供のころ」「……もう帰る」「いやー、見たいなあ、白糸の滝ー(棒読み)」「そんなに言うなら連れて行ってやるのだ」というやり取りの末、白糸の滝を観に行くことになりました。途中に寄った「道の駅 朝霧高原」のこけももソフトクリームは美味しかったです。
 忍野八海の近くには、フラワーパークがあるとかで、そこのチューリップソフトも美味しいのだと彼は言っていました。こけももソフトの味を少し薄くした感じで、アセロラっぽい感じらしいです。想像つきません。
 道の駅を出てわりとすぐのところに、パラグライダーのスクールがあって、一日体験も出来るようでした。駐車場が広かったので勝手にお邪魔し、丘の斜面からぽわーんぽわーんと飛んでいる様子を30分ばかり見学しました。K点越え! とか適当に実況しながら。斜面に沿って下まで降りてくるので、ゆっくりとしたスキーのジャンプ競技に見えるのです。あれはあのパラシュートを背負って丘の上まで上がるのが大変そうですね。かなりの重労働でしょう。いや別に労働じゃないのか。重趣味??? なんだろ。
 丘に登らず、平らな地面で練習しているひとの様子は、凧揚げみたいな感じでした。でかい凧揚げ。それでも、体の正面でやっているときはたくさんの糸を操っていてマリオネットでもやっているようでしたが、飛ぶときはパラシュートは背面側ですから、それに合わせて背中をチラチラ見ながら糸を操っている様子は、そろそろラストスパートしようかと思うんだけどどうしよう、というときの長距離ランナーのようでした。円谷幸吉には向かないスポーツですね、パラグライダー。丘で練習しているひとたちは、先生と思われるひとが後ろから支えたり抱え込んだりしていたので、ゴルゴも無理でしょう。
 白糸の滝は、シーズン前なのか、まだ滝の正面のお店はオープンしていませんでした。水量が多く、あんまり糸っぽく無い感じ。どかどか落ちて来ていましたので。私は滝は好きですから、けっこう飽きずに眺めていましたが、近くに三脚やらレリーズやら、ものすごく本格的に撮影する気満々なひとが集まって来たので、退散しました。お互いだいぶお腹が空いていて迷いつつも、東名の渋滞が嫌なのでそのまま帰りました。ナビの真っ赤な表記が少しずつ増えて行くのを見守りながら、本格的な渋滞の手前で高速を降りました。
「1050円です」とのこと。高速1000円の恩恵よりも、富士山周辺の有料道路の、無料化社会実験のほうがよほど有り難みのある道行きでした。

 で、帰宅する頃に気がつきました。ヒマで静岡行ったなら、ガンダム見てくれば良かったじゃないのと。
 こないだANAで、行きも帰りも客室乗務員に「ガンダムのハガキ下さい」と頼んだしょうもない二人連れだったのですから。
 え、あ、壁紙はダウンロードしましたよ。それから、ANAのガンダムは第2弾のOOがカッコいいかと思って、職場のガンダム好きへハガキを横流ししてみました。

札幌ドームに行ってきました

2011.05.30 Monday[21:32] 野球 - -

 そんな名前のお菓子をドームで買ってきました。
 5月28・29日、一泊で札幌へ行ってきました。2008年以来の北海道訪問です。
 主な目的は28日(土)の札幌ドームでの広島戦観戦でしたが、同行した彼氏が北海道は初めてとのことなので、ベタに時計台やらクラーク博士やらちゃんと観てきました。また、私はこれまで夕食はホテルでとることが多く夜は出歩かなかったので、すすきの初体験でした。さすが天下のすすきの。全国に名を轟かせる繁華街。あれで節電で控えめ、かつ不景気で少々寂れているなんて。すごいなすすきの。
 28日の夜は、野球を観た後少し疲れたのでホテルに行って荷物を置いて、ちょっと一休み……と思ったら2時間くらい寝てしまいました。21時くらいからやっと食事に出たので、21時で閉店するお店ばっかりだったらどうしようと心配しましたが、全然そんなこと無かったです。23時くらいの錦糸町みたいな感じでけっこうひとが歩いていました。分かりにくい例えですかね。
 この、すごいなーすすきの栄えてるなー立派だなーという気持ちをどう表現したら良いのでしょうか。雰囲気的には大規模な伊勢崎町って感じなんですけど、もっと道が広くて、新宿や渋谷みたいなごみごみした感じややたらと高い建物がみっしりあるような圧迫感や閉塞感も無くて、でもしっかり歓楽街なんですよ。迷子になって狭い路地にも入ったのに、清潔な感じというかいかにもといういかがわしさが足りないというか。品の無い呼び込みもあんまり見かけなかったし。東横インとか普通のホテルも大きくて立派なのがあって、でも飲み屋もたくさんあるの。
 もっとこう、天井が低い感じの、汚らしい白々しい街を想像していました。
 ものすごく分かりにくい感想だな。
 えーと、食べたジンギスカンとアイスクリームの話はまた後日。

 さて、ぼくらのカープは、予想通りというかむしろ予定通りに下方修正が入ってきました。信頼と実績の定位置もしくは低位置へ向かって順調に4連敗です。毎年毎年、よくもまあ最下位にならないものだと感心します。
 今年の現地観戦は、6月11日(土)のマリンでいったん終了の予定です。いつものカープではなく、20年前のカープみたいなことになったら、9月末の神宮・ハマスタ5連戦だか6連戦だか、全部行っちゃっても良いかと思いますが、たぶんそんなことにはなりません。神宮も東京ドームも去年行きましたから、来年は是非西武ドームに行きたいですね。あと甲子園とKスタ宮城。とりあえずマリンは楽しみです。
 個人的にはあんまりドーム球場は好きではありません。開放感が無いからです。東京ドームへ初めて行ったときなんだか狭苦しくて子供心にガッカリしたのが原因かもしれません。古くてもぼろくても狭くても、ハマスタと神宮は気持ちが良いです。マツダは広くて綺麗で、ハマスタや神宮と違ってぐるりと一周出来て楽しかった。ナゴヤは、東京ドームよりずっと爽やかで、ドーム球場も良いものだと見直しましたが、その後ハマスタへ行ったらやっぱり暑くても眩しくてもオープンが良いなあと思ってしまいました。
 いやもうオープン球場は、春と秋のナイターはひたすら寒いし、夏のデイゲームは暑いし焼けるし目まで痛くなるし、梅雨時や台風では雨に打たれるし、夏の夜のハマスタは潮風が臭いし、神宮は周囲のビルがうざいです。高速もうるさいし夜でも蒸し暑い。ドームはすごく快適ですよ。それはもう、驚きの快適さです。
 でも、デイゲームが終わる頃、少しずつ暗くなっていくときの美しい夕焼けとか、ナイターが始まる頃の、ああ夜になったんだなと実感するような冷えた風とか、ベイスターズなのに全然星なんか見えないし国立競技場のほうが球場より盛り上がってたり、清々しさとトホホな感じが、私は好きです。天然芝だともっと良い。
 札幌ドームは、少し空が見えたし、ほとんどぐるりと周れたし、球場の外も広くて良かったです。ここで新庄が大暴れしてたんだなあ。難点は階段が多いところと地下鉄が遠いところ。でも天気が良ければ周辺をあちこち散歩して楽しめそうです。冬期のことを考えるとドームにするのが現実的でしょうし、外観もスマートで眺めるだけでもわくわくしてきます。
 28日は試合前は好天で、芝生がきらきらしていました。試合前に2キロほど歩いてクラークさんを観に行くはずでしたが、姿を現したスラィリーに心を奪われた彼氏が、ハーメルンのなんたらのようにぴょこぴょこついていってしまい、しっぽをつかんだりお腹を触ったり握手したり写真を撮ったりおおはしゃぎ。それでドームの周りをほぼ一周してしまいまして、疲れてしまったし開場してしまったので散歩は出来ませんでした。

 日ハムは応援がとにかくカッコ良かったです。おーまーえーがーきーめーてーくーれーーーーーい!な!ばー! でしっかり打たれたこちらとしてはガックリもいいところですが、日ハムの皆さんは優勝したかのような大騒ぎ。サヨナラ勝ちに喜ぶ気持ちは分かる。例えデッドボールで押し出しても嬉しいもんね。だからそれは良いんだけど……畜生稲葉カッコいいじゃねーか! と悔しい。しかも稲葉ジャンプ、撮れなかった。
 日ハムは応援の種類がたくさんあって、グッズも色々で、ナンバルーンという背番号のビニル風船や、金子誠には新撰組デザインの「誠」の旗、田中はピンクの大きな手袋みたいなものなど、あれこれ打者ごとに変えるのが忙しそうでしたが見ていて楽しかったです。遠征して来たファンがどのくらいいたのか分かりませんが、北海道のひとに愛されているチームだなあと感じました。移転して良かったね、と思いました。その昔、出来たばかりの東京ドームに行きたがった私は父から「巨人戦はチケットなかなか取れないけど、日ハムなら取り易い」と言われたことがあります。そんな切ない立場でいるよりも、立派なホーム球場があって熱心なファンが多くいるのなら、半端に東京にいるより良いんじゃないかと。プレイスタイルも堅実で派手さは無いけど———新庄はやたら派手だったけど———応援は派手でカッコいい。こういうチームは素直に良いなあと思えるし、尊敬出来る。負けりゃ悔しいけど。
 負けたことよりも、せっかく復帰した大竹がピッチャーライナーで負傷降板し、どうやら骨折らしいという話のほうがショックです。
 ショックと言えば、羽田ですでに赤いひとたちがいたるところにいたのがショックでした。自宅から赤リンゴバッグなんて恥ずかしい、どうしようと悩んでいた自分が馬鹿馬鹿しくなるほど、羽田で既にユニフォーム。スーツ姿の男性の持っているスポーツバッグが真っ赤。おしゃれなお兄さんのジャケットの裾から覗くシャツが赤い……前から見ると胸に鯉が。小さな女の子の髪に赤いシュシュが。三越にお買い物かしらという出で立ちのおばさまの素敵な鞄から赤いカンフーバットがちらり、首に巻いたスカーフには鯉。アロハシャツの男性の麦わら帽子に赤いライン。どこからどうみてもビジネスマン風の渋いおじさんの、いかにもビジネスマンな鞄についているネームタグが坊や。ギャル風の派手な女性が自販機の前でバッグから取り出した小銭入れは赤い帽子の形。すごくすごく普通の格好の白髪の夫婦の手首にお揃いの真っ赤なリストバンド。
 注意深く周囲を伺うと、分かり易くユニフォーム姿から、iPodのイヤホンまで、思い思いのグッズに身を包んだひとびとがあちこちにいました。空港で待ち合わせした彼氏が赤い何かを身につけていないと飛行機に乗せてもらえないのではないかと言い出すほどです。もちろん、全然関係ないひとのほうが圧倒的多数でしたが、まさか目的を同じくするひとがこんなにいるなんて。
 ああ驚いた。
 まあでも、マツダでナイターのあった日、厳島神社に中日ユニフォームのひとたくさんいたし、デイゲームの早朝最初の新幹線が着いた頃、中日ユニフォームのひとが何人も広島駅から出て来たし、名古屋ドームで試合のあった日の昼間に名古屋城で坊やTシャツのひと見かけたし。
 ハマスタで試合のある日は、朝からみなとみらいに黄色いユニフォームのひととかいるんでしょうか。見たことないけど。

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