早稲田大学おめでとう

 箱根駅伝は早稲田大学が総合優勝でした。おめでとうございます。関係者各位お疲れさまでした。
 今日は中継を全然見ていないので、内容については触れず、報道についてちょっと。報道っていうか、ニュースを斜め読みした感想ですね。
 フレッシュアイニュースで箱根駅伝関連のニュースをリスト表示すると177件の見出しが並びます(2011.01.03 21:29現在)。往路優勝した東洋大、総合優勝の早大、初シード確保(関係車両は事故り10区ではコースを間違えた)の国学院、最下位に沈んだ(しかも繰り上げスタート)日大、2区で17人抜きをしてMVPに選ばれた村沢さんが所属する東海大、6区で10年ぶりの区間新を出した(7区も区間賞、ついでに監督が転倒した)駒沢大、4区で区間新を出した帝京大、3秒差でシード権を逃した(11位コレクターか)城西大、このあたりがニュースの中心です。あとは、一週間前に5人がノロウィルスにやられた日体大とか不振の山梨学院とか拓殖大過去最高の7位とか青山学院大が2年連続シード権確保とか、ちょぼちょぼあります。
 ここで、ほとんど空気扱いされているのが、中央大・明治大・東京農業大・上武大・神奈川大・専修大・中央学院大です。ヨミウリオンラインでは山梨学院のニュースで「学院大」とだけ書かれており、青山学院と中央学院をまるっきり無視です。箱根駅伝では「学院大」=「山梨学院大学」と決定なんでしょうか。知りませんけど。もし大会側がそう決めていたとして、視聴者が分かっているとも思えません。出来るだけ正式名称を使用したほうが誤解が少ないでしょう。読売新聞社が主催だからって読売新聞が基準ってことも無いでしょうに。
 もっとも、箱根駅伝をきちんと正式名称でいちいち「東京箱根間往復大学駅伝競走」って書かれたり言われたりしたら鬱陶しいだけですので、そこらへんは適宜ということで。ゴールとスタートの表記、大手町読売新聞社(立て直し中)って表記もなんなの。いらん主張じゃね?
 略称はおいといても、ちゃんとシード権を確保した明治や中央もほとんど言及が無いってのはひどい。特に何も見せ場が無かった専修や神奈川はしょうがないというか諦めもつきますが、シードも取ったのに……これは寂しい。
 箱根駅伝のシード権に関しては賛否両論ありましょうが、優勝争いが激化してない時はシード権争い、優勝争いもシード権争いも盛り上がっていない時は繰り上げスタートがあるか、といろいろ見どころを仕込んでいるからこそ人気も持続しているわけで、もうちょっとしっかりお伝え願えないものかと。中継では先頭や話題の選手を映すのは仕方ないでしょう。しかし記事にするのは終わってからですから、あちこちまんべんなく紹介しても良いと思うのです。お祭り大会なんだし。twi走だと応援ツイートは早稲田と明治がダントツで続くのが青学、神奈川あたりか。だからネット速報で視聴者の要望に応えるならここらをターゲットにしても良いだろうに。まあ、単純に卒業生が多いとか昔から駅伝に出場しているとか、そういう理由でツイートが多いのだろうけれど、今後の報道を考えるなら無視していいものでも無いんじゃなかろうか。
 でも、頑張って走った選手の皆さんが翌日の新聞やテレビのニュースを見て、5位や6位や7位じゃまったく相手にされないんだな、来年は一面を飾ってやるううううううう! みたいな奮起の仕方をするためには報道が無いことも必要なのかもしれません。日テレのダイジェスト動画で出てくるの優勝チームばっかりだしね。1位じゃなきゃ駄目だってことが良く分かります。
 ……母校のかつての優勝シーンなんか見たら来年も予選会の現状に悲しくなってきました。でも母校のハッシュタグのツイートが、来年も頑張ろうって、頑張れじゃ無くて頑張ろうってなっているのばかりで、愛を感じますね。
 以下、最終結果をまた載せておきます。

順位 大学名 総合タイム トップとの差
1位 早大 10:59:51
(大会新記録)
-
2位 東洋大 11:00:12
(大会新記録)
0:21
3位 駒大 11:03:53 4:02
4位 東海大 11:08:12 8:21
5位 明大 11:08:24 8:33
6位 中大 11:11:24 11:33
7位 拓大 11:11:28 11:37
8位 日体大 11:13:19 13:28
9位 青山学院大 11:13:20 13:29
10位 国学院大 11:13:23 13:32
11位 城西大 11:13:26 13:35
12位 山梨学院大 11:13:50 13:59
13位 帝京大 11:14:21 14:30
14位 東農大 11:15:43 15:52
15位 神大 11:16:37 16:46
16位 中央学院大 11:19:00 19:09
17位 専大 11:21:05 21:14
18位 学連選抜 11:21:17 21:26
19位 上武大 11:25:11 25:20
20位 日大 11:28:00 28:09
スポーツナビ | 箱根駅伝 第87回(2011年) | 順位表
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/athletic/ekiden/hakone/87th/result/course10.html

2011.01.03 Monday 20:39 | - | - | -

東洋大学おめでとう

 4区までは5区の柏原さんのためにあった! みたいな感じの箱根駅伝往路でした。そう言う意味ではあんまり面白くなかったです。母校の……は置いといて。
 今年はtwitterで#ekidenで検索した結果を表示させながら見ていたら、なんというか、観戦しているひとが楽しんでいる様子が感じられて興味深かったです。みんな柏原好きだな! スーパー柏原タイム→sktというハッシュタグが出来ていました。あと、早稲田が調子を上げてくると瀬古さんがちょっと傲慢なくらいに語りだし、早稲田が後退すると存在を忘れるくらい黙りっぱなしであることにツッコミ入れまくっていたり、早稲田の5区走者猪俣さんが一般入試でイケメンで三菱商事に内定しているとか勝ち組はどこまで勝ち組なんだというぼやきとか。
 大きなお世話ですが、ネットにおける庶民の反応が見えて面白かったです。プロ野球をtwitterで見ていると野球が好きなひとしかそこにはいないけれど、サッカーのワールドカップとか駅伝とか、とくにすごくファンというわけでもなさそうなひとがいろいろつぶやいていて見ていると本当に面白い。つぶやいて何が面白いのかとtwitterについて思っていましたが、つぶやくのが面白いんじゃなくてアンケート結果をリアルタイムで見るような面白さがあるのだと、夏ごろから思っています。
 たすきリレーを全部見ていたのではなく、途中で風呂に入ったりうとうとしたり掃除したりしていたので、見ていない部分も多いのですが、妹によると鶴見の中継所が酷かったそうです。かなりだんご状態で中継所に入ってくる選手たちの誘導をする係員がむしろ選手の邪魔になっていたそうです。それサイテー。
 その他、沿道で小旗を振る観客の旗や手が選手にぶつかっていたり、身を乗り出す観客を避けるように選手が走っていたり、いないほうがマシじゃねーかと思うような応援者がいて、不愉快になりました。わー! ってなる気持ちは分かります。私も何度か応援に出かけていますから。それでも、応援する気持ちがあるのなら、邪魔をしてはいけません。本末転倒です。それこそ本当に走者が転倒したらどうするつもりなのだろう。過激なことを言うならなんたら妨害で逮捕したいくらいです。

 柏原さんのすごさはもちろん、今年の箱根駅伝は全体的にスピードアップされたレースでした。気温もそこそこ、走り易かったのかもしれません。一昨年柏原さんが一年生のとき、5区は雪が降っていましたが、今年はまったく積もってもいませんでした。風も余りなかったようで、環境の良さが全体的なスピードアップに繋がったのではないかと思います。
 往路は優勝の東洋大学から20位上武大まで、たったの11分46秒差です。6位の国学院がトップから5分10秒差で17位の青山学院が8分03秒差ですから、3分もありません。このあたりまではシード権争いの範疇でしょう。混戦が予想されます。箱根駅伝は、優勝争い・シード権争い・繰り上げスタートという3つの見どころを用意しているので、だんごならだんごで、大差がついたらそれはそれで楽しめるのですが、やっぱり混戦が一番面白いですね。明日はジムへ行く予定なのでちゃんとに見られないのが残念です。
 以下に往路の順路をスポーツナビから引用しておきます。関係者みなさま楽しいレースをありがとう。明日もお願いします。

順位 大学名 総合タイム トップとの差
1位 東洋大 5:29:50
(往路新記録)
-
2位 早大 5:30:17
(往路新記録)
0:27
3位 東海大 5:31:47 1:57
4位 明大 5:32:11 2:21
5位 駒大 5:33:15 3:25
6位 国学院大 5:35:00 5:10
7位 城西大 5:35:32 5:42
8位 中大 5:35:52 6:02
9位 拓大 5:36:01 6:11
10位 日体大 5:36:19 6:29
11位 東農大 5:36:28 6:38
12位 帝京大 5:36:29 6:39
13位 山梨学院大 5:36:52 7:02
14位 専大 5:37:18 7:28
15位 神大 5:37:34 7:44
16位 青山学院大 5:37:53 8:03
17位 日大 5:38:57 9:07
18位 中央学院大 5:39:20 9:30
19位 学連選抜 5:41:24 11:34
20位 上武大 5:41:36 11:46
スポーツナビ | 箱根駅伝 第87回(2011年) | 順位表
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/athletic/ekiden/hakone/87th/result/course05.html
2011.01.02 Sunday 23:37 | - | - | -

今年もよろしく

 今日はお墓参りに行きました。で、その隣に神社があるのは知っていたのですが、立ち寄ったことが一度も無かったので、家族全員でお参りしてみました。お清めの水道の蛇口をひねるやつ、名称を知りませんが、可愛かったです。これなんですけども。ちょっとピントが合ってませんが鳥の形です
 神社は全然行かないことも無いわりと、ちゃんとお参りするのは初詣の時だけなので、たぶん初詣が今年の最後の神社になるでしょう。お参りはここ数年どんどん簡素化されていて、そのうち初詣が5月くらいに旅行に行った先の神社、例えば一昨年日本人なら一度はと思って行ったお伊勢参りとか、そういうのが初詣になるような気がします。
 そう言えば、30日に一緒に食事したメンバーは、たいてい年末のその食事会の時しか合わないので、年明けて最初に会ったときに交わす挨拶が「あけましておめでとう」だと定義すると、毎年12月30日に「あけましておめでとう」「良いお年を」の両方が兼ねられていることになります。さすがに言いませんが。
 でも、友人の経済学者に2月か3月に会うのがここ数年のいつもの流れでして、そのときお互い疑問形で「あけましておめでとうございます???」と言いあってます。それを変だって他の友人に言われるのですが、納得がいきません。
 松の内を過ぎてから「おめでとう」「今年もよろしく」を言うよりも、何年も会ってない、連絡は年賀状のみ、お互いのブログを見ているわけでもない付き合いのひとに「昨年はお世話になりました」 「今年もよろしくお願いします」のほうがよっぽど変だろ。

 月別アーカイブをリスト表示にしてみました。検索結果は今まで通り本文もずらりと並びます。もし、余計なことしやがって! 使いにくいだろ! という方はコメントかメールフォームからご連絡ください。多いようなら元に戻します。

2011.01.01 Saturday 23:09 | - | - | -

カフェ ラントマン、そして表参道

 昨日は第1次大学生時代に知り合った射撃仲間と忘年会でした。青山のAo<アオ>にあるカフェ ラントマンで昼食会です。事情は訊いていませんが(不幸だったりしたら悪いので)、去年ドタキャンした男がまたドタキャンしました。仕事ならしょうがない頑張れで終わりですが、病気とかだったら心配です。まあ、たぶん、仕事だろうな。彼は一昨年も食事中に仕事の電話が鳴りまくっていて大変でしたから。
 ラントマンでは一度、友人の経済学者とティータイムを過ごしたとき(2009.06.26の記事「いたずらおばけ」)に食事もおいしそうだったので、機会をうかがっていたのです。今年の忘年会は私が幹事だったので、そのうち一緒に行こうねと言っていた経済学者のことは放り捨てて、他の男と行ってきました。男三人と女一人は普通のグループ客っぽくて良いと思う。ドタキャンがいなくて男四人だと、バランス悪すぎるのだけど。
 一番奥に案内され、メニューを見て絶句した。何故なら私は「平日ランチメニュー」のつもりのお財布で来たから。何故! 平日だろ! 木曜は! 開店していますかって電話で訊いたとき「通常営業です」って言ってたのに。でも同行者はまったく気にしていなかったようなので、私も涼しい顔して「週末ランチメニュー」から選びました。年末は通常営業たってそりゃ休日モードだよと言われれば、まあそうかなと思うし。
 ラントマンは、オーストリア料理なのですが、正直オーストリア料理なんて全然知りません。ザッハトルテは前回食べちゃいましたし、アルコールの含まれたコーヒーもそんなに魅力に感じませんでした。けど、スープ料理には興味を持ったので、私はスープセットにしました。
 友人たちはそこそこ予習してあったらしく、というか一人はオーストリアに行ったことがあって現地でザッハトルテを食べて死ぬほど甘くて閉口したらしいし、村治佳織ファンの男は毎年ヨーロッパ旅行しているし、肉をパプリカと一緒に煮た料理が有名、と口を揃えて言ってました。もう一人も「アルコール入りのコーヒーが有名」って言ってました。お店を予約しておいて、私だけが下調べをしていなかったようです。下見もどきはしていたのにな。
 食事はとても美味しかったです。スープ料理は少し少なめかと思いましたけど、食べていたらちゃんとお腹いっぱいになりました。満足です。アルコールは無しにしましたけど、コーヒーも美味しかったです。デザートはアプフェルなんとか……つまりリンゴパイです。オーストリアの公用語はドイツ語で、ランチメニューにmittagってありました。第1次大学生時代の1年目のドイツ語の授業を必死に思い出してなんとか読んでいた私ともう一名。カタカナで意味が分からなくても、英語が併記されていればそれでなんとなく分かったりしますが、ドイツ語じゃますます分からん。

 食後はAoの周辺を一回りしてから、表参道を歩きました。Aoは建築物として面白い構造をしているので、それだけでも見たら楽しめると思います。国連大学も見た目はカッコいいですし、表参道ヒルズも、あの辺りは少し凝った建築物が多いので勉強になりますね。ビル建築に関わっている身としては。表参道ヒルズは、図面で見るのと実際に歩くのと、けっこう違うものだなあと思いました。
 以前、友人の経済学者とその先輩という別の経済学者と表参道を歩きました(2009.04.12の記事 「ああ勘違い」)けど、そのとき見た同潤会アパートとか様子が変わっていてそれも面白かったです。一番面白かったのは、足下の場所取りですけど。
 たぶん、今日の朝から屋台が出ていたのでしょう。明治神宮参拝のために訪れる皆さんを相手にする商売のために。その、場所取りというか場所のお知らせというかのために、ガムテープで梱包用テープみたいなのが貼ってあり、ガムテープ部分に「ヤキソバ」とか「たこ焼き」とか書いてあるんですよ。坂道を延々、明治通までずっと。
 これ一番面白かったですね。なかなか愉快な経験をして、原宿で解散しました。古い友人ってのは良い。

 表参道の手前あたりで友人が実家への手みやげにする和菓子を探していて入ったお店、お菓子は小さいのにやたらお高くて庶民には手が出ませんでしたが、展示物が奇麗だったので紹介します。高林由美子氏の公式サイト「さしこギャラリー」を拝見すると、どうやら個展だったようです。和菓子屋は風土菓 桃林堂です。立ち寄ったのは青山店で2階が画廊になっているようです。
 さしこは、私はよく分かりませんがどうも津軽こぎん刺しみたいな感じで、壁に飾られた、なんだろうあれ、タペストリーみたいなやつ、何の役に立つものなのか分からないですが迫力があって良かったです。刺繍とは違う感じで、もっとこう、分厚い感じ。手触りがゴツいの。ごめんなさい、手に取るなって注意書きを読む前に思い切りつかみました。
2011.01.01追記

 今日の読売新聞のコボちゃん、コボちゃんのおじいさんが「年を取ると時間が過ぎるのが早く感じる」と言いながら蕎麦を頼んでからの5分が待てないというネタで楽しませていただきました。
 これはですね、私の解釈だと、一年が早く感じるのだから、5分も同じくらい早まって感じるから不自然ではないのですよ。若いころの1年を1とすると、40代の1年8くらいの体感速度だとしましょう。そうすると、若者の5分は年寄には3分くらいで5分経ったような気がすると、だから年々せっかちになっていくと考えれば全然矛盾がありません。
 おばあさんもそこでちゃんとおじいさんに説明してあげれば良いのにね。
 この年を取ると時間が早い気がするというのを説明した絵本があって、タイトル忘れましたけれど、人生は螺旋状になっているという説明がありまして、それだと三角錐の一番底辺から螺旋状に表面を階段でずっと上がっていくようなイラストでした。一周が一年で、だからどんどん短く感じるのだという説明。
 ああ、なるほどなと思いました。一応の説明はついています。時間の概念は難しいもので、相対性理論なんぞ持ち出さなくても相対的に感じるものです。楽しい時間はすぐで、苦しいと長いとか。お腹痛くてずっとうなっていると気がついたら4時間経っていてあとで思い出すと30分も経ってない気がしたとか、ありますけれども、たいていは楽しいほうが短く感じるかと思います。
 それで思ったのが、そのイラストだと三角錐は上向きで、底辺が地面に着いていて天に向かって頂点があるように描かれていました。単に螺旋の説明をするのならば、底辺が平面に接しているのは同じでも、そこから大根みたいに埋まっている絵を描くことも出来るわけで、もうどんどん暗く冷たい地下にずっと下っていく、そういうイメージにもで出来るところを、上昇するイメージで描いたところが面白いなと私は感じました。
 なんかちょっと期待が持てる感じで。そんで上からちょっと見下ろして過去を思い出したりするの。ただ、そういう三角錐がたくさん並んでいて、自分のは太くて短いとか誰かのは細くて長いとか、丸分かりっぽいのは怖い感じもしました。ほらあの、ろうそくが並んでいるイメージです。それでも1年の長さの感じ方の違いに説明をつけているところが非常に気に入った絵本です。突拍子も無い理論でも、その物語の中でしっかり統一感があって完結しているならそれはそれで理解出来るつもりです。
 もっとも、私の考えだと、別に螺旋になっていなくても、5年の人生のうち1年が占める割合は2割で、30歳なら30分の1だから単純に比較して少なく感じるのではないかとそれだけの話になります。

 そういうわけで、今年も無事螺旋階段から落ちずに済んだようです。来年もよろしくお願いします。

2010.12.31 Friday 18:31 | - | - | -

公園デビュー

 5年以上前に買った記憶のある、ユニバーサルの「公園デビュー」という毛糸が二玉見つかったので、鹿子編みでマフラーを作ってみました。買った時は確か手袋にしようと思ったのですが、マイクロナイロンの生地は手荒に扱うのには耐えないようだったので止めてそのまま放置していたものの再利用です。
 ちくちくするからウールはヤダという彼氏に試しに使わせてみたら気に入ってしまい、自分用だとは言えずそのままくれてやりました。そのときにこの毛糸は「公園デビュー」と言うのだと教えたら「え、僕も公園に行かないと」と言うので、公園で寝泊まりするならうちで余ってる段ボールをあげるねと優しい言葉をかけておきました。
 私がしたい公園デビューは、MacBookとWiMAXでの公園デビューです。公衆無線LANよりは自立したネット環境で移動中やら屋外やらであれこれやってみたいのです。この季節は寒いので炬燵とセットのネット環境が一番ですが、クラウドサービスを使い始めたら職場のパソコンが不便で仕方なくなってしまったので、休み時間や通勤時間は自分の使い易い道具で遊びたい。仕事の不便はお金の問題やセキュリティの問題があるから我慢する代わりに、自前の機器で遊びたい。携帯でネットの記事を読んだりするのは好きではないのですけど、パソコンで見られるなら見たい。そんで読むだけではなくてちゃんと書きたい。
 以前、DSサイズでフルキーボードの携帯があったら良いのに、とわめきました(2010.04.06の記事)けど、携帯ではなくてパソコンで実現されました。2010年6月に発売された東芝のlibretto W100です。これはね、良いよ。私のモバイル機器としての理想型です。iPadは画面が傷つきそうだし持ち運びには大きすぎるように思うし、3GはSoftBankしか使えなくてなんかこう不自由に感じます。不便じゃなくて不自由。appleにとって「不自由」は不本意な評価だと思いますけど、パソコンのような電話のような状態だからどっちつかずでSIMロックが忌々しいのよね。
 libretto W100発売以来電気屋で触りまくっていますが、まだ買う気になりません。高いし、Macに乗り換えている私にとってWindowsベースなのでやりにくい。Androidなら良いとかいうわけでもないですけど、使い勝手とセキュリティですね、それから通信費がもう少し安くならないと、そんなに頻繁に持ち歩かないけどWiMAX契約しておこう、という気持ちになれません。最近、自宅が契約しているケーブルテレビで1年縛りのWiMAXサービスが始まり、こいつが安めの3600円なので心が50メートルくらいは動いてしまいましたけど。
 でも、そもそも持ち歩くとしたら何を? となるとMacBookしかなく、でかいし重いし電車で使うには迷惑だし、でもlibretto W100を買う余力は無いしマイナーチェンジ後にもっとまた進化するでしょうからそのころのが欲しいし、今契約しても正直無駄なので、せっかくの2ヶ月無料キャンペーンもとりあえず見送りです。まあ、そのうちまたやるでしょ。
 iPadがもう一回り小さくて安くて機能が増えるか、MacBookのネットブック的なモデルが出たりしたら、そのときこそ公園デビューだと夢見ています。

2010.12.28 Tuesday 22:55 | - | - | -

囲い込み一本

 携帯電話の家族割引に惹かれて本当に家族全員で同じ携帯電話会社を利用しているとイザというとき死ぬしかないと思う。去年結婚した同僚が、それまでdocomoだったのを夫に合わせてsoftbankにしたんですよ。家族割引使えるしって。私はせっかくの通信手段をふたりで同じにしてしまうのは危険ではないかと持論を展開したのだけど理解を得られませんでした。
 縄文杉の根元で、私の携帯は電波が入っていましたが私の彼氏の携帯は圏外でした。
 そんな非日常を味わいに行く場所では通じないほうがむしろ良いのかもしれませんが、例えば遭難した場合、私のが通じれば彼のが通じなくても救助の要請は出来るでしょう。でもこれ、ふたりで同じ携帯電話会社を利用していたら、両方通じるか両方圏外かの二択になってしまいます。違うものを使っていれば、通じる通じないの組み合わせとしては4種類となり、両方通じない確率は4分の1と、ふたりで同じ場合の半分です。もちろん、カバー率の問題はあります。都市部が得意な会社、都市部の例えば地下鉄は弱いが山間部に強い会社、いろいろ特徴がありましょう。そこらへんも含めて、携帯電話は別会社を利用しているひとと行動をともにしたほうが、危機管理としては有効ではないか、というのが私の考えです。
 家族間だと通話料無料。で、家族とどれだけ電話する? 単身赴任の夫が妻や子供と、ということは多いでしょう。都会の大学に通う子供が田舎の両親と、いや逆だな、親が子供にかけるほうが多そうだ、こういうのは無料だとたいへん助かるパターンだと思います。しかし、同居している場合、そんなに電話で話すようなことがあるでしょうか。我が家は無い。帰宅してから直接喋ればそれで済むもの。
 もちろん、子供が小さい場合は塾だのなんだの送り迎えの連絡で頻繁に使うと思います。でもいい加減成人した子(戸籍とかに書かれている続柄としての子という意味なので、成人してたら「子」じゃないとか突っ込まないで)が、わざわざ何を親に連絡するかっつーとしないだろ。飲んでたら終電逃した帰れないとか、その程度じゃないの。帰宅が深夜になっても急な土砂降りでも荷物がやたら多くても、大人なんだからタクシー呼ぶなりどこかに泊まるなりするでしょ。そんであんまりにも夜中なら電話は控えてメールでしょ。夜中の電話は訃報っぽいもの。
 そしてそんなことが毎日のようにあるはずもなく、特に通話料無料の恩恵にはあずからないと思う。近頃はEメール無料プランもあり、家族ともEメールを主体にしたやり取りをしていれば、友人知人とのやり取りの出費も家族とのやり取りの出費も抑えられます。だったら、電話番号やメールアドレスを変えるデメリットのほうが大きいんじゃないかと思うのです。
 遭難するような事態こそめったに無いだろ、という考えはごもっともですが、別に遭難しなくても、花火会場でも年末年始でも、あるキャリアだけ通じにくいということはあるし、地下鉄だのなんだの、あるキャリアは通じるが他のキャリアは通じないということはあります。隣に家が建っただけで入りにくくなることもあるのです。そこらへん全体的に鑑みて、携帯電話の価値はなるべく広い範囲で通信が出来るという点にあるならば、夫婦で同じキャリアを利用するのは不利なのではないでしょうか。
 もっともこれは、お互いに既に携帯電話を持っており、結婚する前から両親や兄弟姉妹と家族割引に入っているというのが前提の話です。家族割引になる一番大きなメリットは家族間通話料無料ではなく基本料金の割引ですから。しかも最近は家族でなくても複数年契約をすることで同じような割引は受けられますから、複数年契約が嫌でなければ家族割引を利用する必要がありません。
 その上で、いったん家族割引をしていてそのまま継続なら基本料金も変わらず、同居する妻や夫よりも、同居しないであろうそれぞれの両親や兄弟姉妹と無料のほうが、私は全体的に通話料金を抑えられるだろうし、危機管理としても有効ではないかと考えているのであります。

2010.12.25 Saturday 22:41 | - | - | -

飛鳥山スカイツリーガンダムカフェ

 12月10日は、飛鳥山から都電荒川線沿いに終点三ノ輪橋、千住を突っ切ってスカイツリーを見学、浅草やら上野を経由してガンダムカフェまで、直線距離約6.4キロ道のり約13.5キロを、約4時間半かけて歩きました。
 はい、ここまででお前馬鹿だろとお思いになって当然だと思います。私も馬鹿だなあと思いながら歩いておりました。まさか直線距離の倍あるとはね。途中、何度も何度も都電に乗ろうと思いつつ、機を逃した結果この通りです。
 道のりは「ちょっと便利帳[地図上で目的地までの距離を測る] - 距離計測/距離測定」で調べました。いやー歩いたなーと思ったのですが、13.5キロって富士スピードウェイのF1コースを3周しただけと思うと全然たいしたこと無いですね。よく考えたら自宅から彼氏の実家までも10キロくらいあって、私は自転車で近くまで平気で行っているのでした。全然だね。歩いたことの無いあたりを歩いたからやたらたくさん歩いた気がしただけのようです。
 さて、当日は晴天で風も無く、絶好の散策日和でした。JR王子駅は少し高い位置にありますので、うっすらとスカイツリーが見えます。目的地その1です。都電荒川線の王子駅というか飛鳥山駅付近から、とりあえず都電沿いにてくてくてくてく。明治通りを真っ直ぐ行けば地図上では近いのですが、それではあんまり味気無いし、JRで移動しているのと変わらなくなるし、歩くのには空気が良くないと考え、散策ですから少し遠回りで都電沿いです。平日の朝ですから都電もひっきりなしに通りますので、疲れたら乗れば良いや160円だしと気軽に歩き始めました。
 カメラを首から下げて完全に観光客かつウォーキングのおばちゃんスタイルです。東京生まれのくせにおのぼりさんだなと彼が言いました。神奈川育ちだからしょうがない。
 だらだらだらだらと歩いて、都電おもいで広場で柵の中をじろじろ見ました。平日は開場していないのです。塀の中から外を覗くひとみたいに(逆なんだが)都電を見まくっていたら、すぐ近くで私より年上に見える中年男性がやたら立派なカメラでその都電を撮影しまくっているのに気付きました。真のマニアには全然かなわないので彼氏と二人ですごすご逃げました。
 都電の線路沿いはバラがたくさん植えられていて、この時期でも少しは咲いていました。黄色いのとピンクいの。真っ赤なのもありました。種類はまったく分かりません。都電荒川線 花みどころという荒川区産業経済部観光振興課の運営しているサイトで紹介されていますが、私にはさっぱりです。
 飛鳥山から三ノ輪橋まで、基本的にはすべての駅を撮影し、通りがかった車両も半分くらいは撮影しました。黄色い7000系と緑色の7000系か、私は都電の車両は詳しくないので良く分かりませんが、その二種類が多かったです。それと紫色っぽいのと、赤紫色っぽいやつ。赤紫のはArakawa Lineって英語表記でした。あとは広告のラッピング車両が多かったですね。町屋あたりからは、都電・駅・遠くにスカイツリーという構図で頑張りました。うん、こうやって書き並べると私も立派にマニアっぽいですが、どれが貴重とかそういうのが全然分かりません。
 三ノ輪橋まで歩いて、さてそこからどうするか、目安になるものが無く地図なんぞ持っていないので困りました。通りすがりに入手したのは荒川区のウォーキングマップや都電沿いのウォーキングマップであり、三ノ輪橋から東側については何の資料も無かったんです。でもまあ、ちょっとうろうろしたらスカイツリーが見えたので、とりあえずあっちだなと歩きました。
 途中で何度もビルに阻まれてスカイツリーを見失ったので、あちこちたぶん遠回りをしましたが、なんとかリバーサイドスポーツセンターの案内が見えてきました。彼が野球場の向こう側に橋があって渡れるはずだと言うので、スポーツセンターを横切って隅田川沿いへ。かなりでっかくタワーが見えました。いやー、もうここはなんだかほっとして休憩したくなりましたよ。
 でも彼が全然休む気配を見せないので、視界が開けたのを利用して写真を撮りまくり、すたすた歩き続けました。信号待ちを利用しながら多少足のストレッチをしつつ、出発して約3時間でスカイツリーの根元へ到着しました。観光客がわんさか。業平橋の歩道は写真を撮ってないひとがいないくらいです。私もそのひとりですが。
 平日の昼間ですから中高年のご夫婦ばかりでした。スーツ姿のサラリーマン風の皆さんはこれが仕事なのか仕事の合間に来ているのか微妙なところ。のんびり、降りてくるクレーンを眺めて楽しみました。工事している作業者にとっては良い迷惑って感じもしますね、あんなにギャラリーがいると。
 特に休憩という休憩はせず、そのまま浅草方面へ向かい、吾妻橋を渡って合羽橋辺りを通り抜け、上野駅をかすめてアメ横を通過し御徒町へ。ここで、本日の目的地その1.5である「うさぎや」へ寄りました。和菓子のお店です。
 店内では店員さんが、どら焼きは賞味期限が明日までだが今日と明日では味が全然違う今日のほうが格段に美味しい買ってすぐ今ここで食べるのが一番美味しいのだと力説しておりましたが、私も彼氏もあんこなぞ人間の食うものではないと言う考えの持ち主ですからちっともさっぱり心に響かないセールストークでした。しかしながら私の家族も彼氏の家族もあんこが好きという驚くべき人々なので、私も彼もどら焼きを5個づつ買い求めました。一個180円です。私にとってはあんこ製品などお金をくれたって拒否(一億とかならどら焼き一個くらいは我慢する!)ですが、よく売れていました。

 そのまま秋葉原まで歩いて、本日の目的地その2、ガンダムカフェです。ここまでトータル4時間半歩きました。やっと休憩です。注文を受ける店員のみ、ホワイトベースっぽい服装をしていました。私は「アムロ・レイのパイロットランチ」、彼は「シャア・アズナブルのパイロットランチ」を注文しました。赤いのにシャアのほうが3倍速く出てきたりはしません。少なめに見えましたが、それなりの食事になりました。シャアザクアイスとかハロラテくらい頼もうかと提案しても、彼は店内のガンプラやプロジェクタで流されてるユニコーンのプロモーションビデオを眺めてはうっとりしていて話になりません。「一日いられるよね」とつぶやいて満足そうに微笑む様子は、違いの分かる男の曲が流れてきちゃうんじゃないかというくらいの優雅さでした。
 店内は喫煙・禁煙が半々でした。禁煙席がいっぱいでも喫煙席が空いていて、男性4人組とかは渋々喫煙席に向かっていました。いっそ完全禁煙にしたほうが回転率が上がるように思います。
 帰る前に、カフェに併設されたお土産屋さんでガンプラ焼きを購入して食べました。ここでも当然、あんこは回避でクリームです。味はともかく、わりと食べ応えのある大きさで楽しく食べました。通っているジムの馴染みのトレーナーさんにお土産としてガンダム学習帳を購入して、私はそのまま帰りにジムへ寄りました。13.5キロ歩いてさらにジムかと私も思いましたが、秋葉原から1時間ほど電車に乗って地元へ着いたら全然余裕な気がして行ってしまいました。で、トレーナーさん、大喜び。
 プレゼントと言ったらお客さんから個人的に何かをいただくのは一応遠慮しないといけないという態度だったのが激変です。思いっきり食いついてました。服務規程違反をさせちゃってごめんね!

 次のウォーキングは、つるみ川新春ウォークを狙っています。8日の、23.4kmのほうが集合解散に便利なのでこっちで考えています。まだ申し込んでませんけど。一日に歩くのは縄文杉のときの約20キロがこれまでの最高でしたから、少し不安はありますが行ってみるつもりです。

2010.12.21 Tuesday 23:09 | - | - | -

そりゃ困る

 先日村治佳織さんのコンサートに同行したというか、彼からどう? と誘ってきたので私こそ彼の同行者なのですが、とにかく友人と最近はCDが売れないらしいねという話をしました。ダウンロードできるから全体的にCD買わない傾向があるようだという話です。村治さんのCDに限定した話ではなくて。
 レコード特有の面白さなど無く、CDを買っても携帯用音楽プレイヤーにデータを移して聴くのがメインになってしまうのなら、確かに最初から音質の劣るデータをダウンロードするのでも良いかもしれないと私は思っていましたが、彼は村治さんの大ファンなので言うことが違う。
「CD買わなかったらどこにサインしてもらうの?」
 そうだね、私も大萩康司氏のCDは全部ひたすらサイン入りだよ。

 やらなけりゃいけないんだけど面倒〜と思っていた祖父の年賀状約150枚の印刷が、新しいプリンタでは瞬殺でした。いや、最終的には30分くらいはかかったのですけど、去年までの四分の一以下の時間で終了したので、母があっけにとられていました。毎年、30枚から50枚ずつ、三日か四日をかけて少しずつ印刷していたのに、今年は無線だし早いし手差しじゃないしあっという間でしたので。
 ああしかしすまない母よ、時代はまだあなたに追いついていない。お母さん、電源は無線じゃありません。パソコンとプリンタを繋がなくて良いだけで、電源プラグはコンセントにささなきゃ駄目なのよ。そういう研究はされているし実用化も図られているけど汎用化されていないのよ。次の次の次の次くらいにプリンタ買い替えた時に期待してください。

2010.12.20 Monday 22:47 | - | - | -

村治佳織 リリース記念コンサート『ソレイユ』東京公演

 本日は富士マラソンフェスタに前日入りしたりはせず、そもそも申し込んでない(妹の入院騒ぎですっかり忘れていた)し、村治佳織さんのコンサート「ソレイユ 〜ポートレイツ2〜」(恵比寿ザ・ガーデンホール 16時開演)に行ってきました。2010年9月22日に発売されたソレイユ~ポートレイツ2~(初回限定盤)(DVD付)のリリース記念コンサートです。この発売記念コンサートは、基本的にそのアルバムの収録曲をそのまんまの順番で全部演奏します。というわけで以下、本日のプログラムです。

Soleil 〜Portraits 2〜

第1部

1. ヒア・カムズ・ザ・サン
ジョージ・ハリスン/イョラン・セルシル編曲
2. ギターのためのカルメン組曲
ジョルジュ・ビゼー/佐藤弘和編曲
3. そよ風の誘惑
ジョン・ファーラー/佐藤弘和編曲
4. フォーコ(リブラ・ソナチネより第3楽章)
ローラン・ディアス
5. オルフェのサンバ
ルイス・ボンファ/佐藤弘和編曲
6. サウンド・オブ・ミュージック
オスカー・ハマースタイン二世&リチャード・ロジャース/ローリンド・アルメイダ編曲
7. アローン・アゲイン
レイモンド・オサリヴァン/佐藤弘和編曲
8. 大聖堂 I Preludio (Saudade)
アグスティン・バリオス
9. 大聖堂 II Andante religioso
アグスティン・バリオス
10. 大聖堂 III Allegro Solemne
アグスティン・バリオス

第2部

11. ケルン 1975年1月24日 パートIIC
キース・ジャレット/マニュエル・バルエコ トランスクリプション
12. ムーゼス・ド・リオ
ルイス・ボンファ/佐藤弘和編曲
13. エル・ディア・アンテス
アンディ・ピアソンズ/佐藤弘和編曲
14. 前奏曲 第15番 変ニ長調«雨だれ»
フレデリック・ショパン/佐藤弘和編曲
15. ザ・ウェイ・ウィー・ワー(追憶)
アラン・バーグマン、マリリン・バーグマン&マーヴィン・ハムリッシュ/佐藤弘和編曲

ポートレイツより

エナジー・フロー
坂本龍一/佐藤弘和編曲
ティアーズ・イン・ヘブン
エリック・クラプトン&ウィル・ジェニングス/佐藤弘和編曲

 特別ゲストとして、フラメンコギターの沖仁氏がいらしてました。紹介に会場はどよめいていましたが、それはラジオを聴いていない証拠だそうです。同行した友人によると。彼が言うには、J-WAVEの「MITSUBISHI JISHO Classy Cafe」で事前にお知らせがあったのだそうです。ファンならラジオもちゃんと聴かねばいかんと友人が主張していました。きみも聴けと言われましたが、すまんそこまでファンじゃないので。
 沖氏は1曲のみ、デュエットというかなんというか共演していました。ハミングありで。面白かったです。
 そうそう、上記のプログラムは配られた内容であり、実際は村治さんが間違えたので、フォーコとオルフェのサンバが逆になりました。オルフェを弾き終わってから謝罪があり、フォーコの演奏がありました。
 全体的には、音のつながりが悪い感じ。しょっぱなは緊張していたのか少しぎこちなく、その後は滑らかになりましたがなんとなく音が切れたり和音が奇麗に出ていなかったように思います。楽譜見ながら聴いてたわけじゃないので分かりませんけど。手がまだ動かなくなる前ほどには動いていないのかもしれません。つーか、アレンジがものすごくやり過ぎなんじゃねえかな。
 メロディラインにかぶせるようなアレンジは良いっちゃ良いのですけど、低音が響かず細かい音の装飾が鬱陶しいくらいでした。カルメンもメドレーが村治さんいわく「いいとこどり」ですが、私はちょっと中途半端に感じました。こういうのはあんまり好きじゃない。すごく普通な感じだったのは大聖堂だけです。第3楽章が聴き応えありました。
 せっかく聴きに行ったのに、耳障りな感じがしてしまうのは残念でした。椅子は背中痛いし。
 恵比寿ザ・ガーデンホールは、きちんとした席が常設ではなく、前のほうは椅子を並べて客席にしてあります。後ろのほうはそれなりの椅子が常設ですが、前のほうのいわゆる「良い席」であるはずの場所がパイプ椅子よりはマシだけどってレベルなのです。この椅子が、背もたれが木でして、前半だけで背中が痛くなり参りました。こじんまりしているけどみなとみらいホールのほうがよっぽど快適です。国際フォーラムほどの椅子でなくても良いから木の背もたれは勘弁願いたい。空調は問題ありませんでした。ロビーはちょっと暑かったけれど、トイレが寒いことも無くて良かったです。
 ジャズはなんとなくノリが悪いような。2006年にナベサダを聴いて以来、ジャズの基準が上がってしまったようです。それまではレコードで聴いたベニーグッドマンだったので、ライブの基準が無かったのですけども。クラシックギターだから雰囲気だけと割り切らねばならないのでしょう。
 これで6800円かぁ、とは思いましたが、それなりに楽しみました。

 おっと、アンコールの記述を忘れていました。アンコールは2曲、1曲目は沖氏とデュエットの「タンゴアンスカイ」、沖氏が途中で即興を入れていて、私的には本日一番面白かった演奏です。2曲目は村治さんのみ「戦場のメリークリスマス」でした。
 これもやたらめったら凝った感じのアレンジで、元の曲をイメージしながら聴いてしまうとなんつーか、崩し過ぎに感じられます。同一人物だって分かるけどほとんど別人じゃんっていうファンデーションのCMみたいな。仲間内で、こんな編曲してみたと披露しあうならああいうのも興味深くいろいろ聴けるでしょうけれど、元の曲をちゃんと知っていて、それがあんまりあれこれ手を加えられていると、調味料を入れ過ぎてしかも煮込み過ぎた白菜スープのような、たくさん味付けしてくれて悪いんだけど私薄味が好きなのよねという気持ちになります。般若心経をラップにするような編曲だと私は感じました。

 コンサートの前に、恵比寿三越1Fのハーブスでケーキをお茶をいただきました。本日は同行した友人の誕生日でしたので、ケーキとお茶は私のおごりです。本気でプレゼントをする気があるならコンサートの支払いが私になるわけですが、彼にはきみの誕生日には何もしていないし自分が聴きたいから申し込んだコンサートだからと遠慮されました。
 ここのケーキはサイズが大きいので、紅茶と一緒にいただくとお腹いっぱいになります。それなのに店内が乾燥していたのでお水を飲みまくり、余計にお腹いっぱいになってしまいました。そこんとこなんとかなりませんかね。
 ケーキはカット面から劣化するので注文されてからカットするとのことで少し待たされますが紅茶が飲み頃になったときに同時に運ばれてくるのであまり気になりません。カップもちゃんと温まっています。すぐに飲めるということを一言添えてくれるともっと良かったですね。
 それ以外は快適でした。店員さんの応対も非常に良く、楽しく過ごせました。禁煙だし。

 どーでも良い話、沖氏はぼんやり見ていると御手洗潔に見えてきます。いや彼は二次元の人物でしかも小説ですから、外見を見て「見えてくる」というのも変なのですが、見えてきます。ええ、見えてきます。
 御手洗氏のギターに関しては『御手洗潔攻略本』「マクラフリンはお好きなんですか?」 -ギタリスト御手洗潔のジャズ史的位置でいろいろと解説されております。その前に『御手洗潔のメロディ』 (講談社文庫)の「SIVAD SELIM」を、そりゃねーよ! とツッコミを入れながら読まないと駄目です。
 また話が逸れるのですけど、私の島田荘司作品に対する愛情は、相撲に対する愛情と似ている気がします。つまり、お前ら何考えてんだいい加減にしろよ無理あり過ぎだろと協会にどんだけ腹を立てても、年に一度は国技館へ行ってしまう、と。そういう感じ。

2010.12.18 Saturday 20:42 | - | - | -

ちゃんこを食い損ねそうだった

 なんかいろいろ書きたいこともあったような気がするのですが、気がついたらあれもこれも時機を逃してしまっているのでどうでも良くなってしまいました。しょうがないから鍋焼きうどんでも語っておきましょう。

 先日会社帰りに行ったのが、横浜駅から徒歩5分くらいのところにある角平です。同僚が何人かで鍋焼きうどんを食いに行くというので、ほいほいついて行きました。メンバーは私の他は50代40代30代独身男性3人。そしたら連中、もりそばとかざるそばとか食ってて誰も鍋焼きを頼まないの。なんなんだ。どうでも良いことばかり喋って、会話の内容をいっさい覚えていませんが、楽しかったです。
 全体的にお値段はそう高く無いとはいえ、鍋焼きうどん1360円は高い。1200円くらいが適正と思います。ここの鍋焼きうどんは、赤みそっぽいのかな、わりと味は濃いです。基本的にはそば屋なので、お酒と合わせるのを意図しているのかもしれません。池波正太郎の世界。ちょっと憧れるけど野暮な私には無理です。
 とにかく赤みそっぽくて、でかいエビ天が乗っています。かき揚げにも出来ますが、お値段が1480円になります。野菜は少なめ、椎茸は丸ごと(嫌いだから同僚に食べさせた)、梅かなんかのお花の形のお麩、後は卵と長ネギか、わりと普通の具が入っています。まあまあ美味しい。
 欠点は、土鍋ではないところ。鉄と思われる金属の鍋です。私は鍋焼きうどんは断然土鍋派なので、ちょっとガッカリでした。あ、でも、だし巻き卵は美味かった。その他ちょいちょいつまみを頼んで、お酒は無しで4人で6000円くらいでした。

 ここ15年くらい、お店で食べる鍋焼きうどんで一番だと私が思っているのは、家族亭です。以前も主張したかもしれないので、またかと思った方には申し訳ない。数年前に横浜ルミネからいなくなってしまったので、食べに行っておらず、味が変わっているかもしれないですけど、土鍋だし、野菜もたっぷりでとにかくうどんが美味い。しかもお餅が入っている。角平はそば屋で家族亭はうどん屋だからうどんの質が違うのは当たり前ですが、ボリュームも全然違います。
 家族亭のサイトはどうにもヨドバシカメラみたいになっていて、閉口しているのであんまり見ませんが、新店舗情報は一応定期的にチェックしていまして、でも毎度がっくりしています。でも煮込みうどん系のメニューが増えたのは期待しているところです。
 横浜ルミネに店舗があったときは、冬になると鍋焼きうどんと味噌煮込みうどんとうどん雑炊の三種類が並んでいました。味噌煮込みうどんにも入っていたか記憶が無いのですが、うどん雑炊はその名の通り、鍋焼きうどん+雑炊でして、最初からご飯が土鍋に入っています。これを食べるコツは、最初に雑炊を食べることと、小皿にお餅を出しておくことです。アツアツを食べるひとは必要無い作業かもしれませんが、私は猫舌なので冷ましつつゆっくり食べることになり、そうすると雑炊が汁を吸いまくって鍋からあふれんばかりの大変な状況になります。しかもお餅もとろけてしまって、汁の粘度もうなぎのぼりです。避けておくにこしたことはありません。
 あー、食べたくなってきました。昨日ちゃんこ鍋を食べてそれなりに満足したばかりなのに。

 12月4日は板橋区の蓮根にある相撲茶屋大旺に行ってみたら、本日貸切ということで入れませんでした。お店は2階と3階があって、両方全部満席なのかと訊いたら、お店の女性が「え? 貸切?」とお店の看板にしっかり貼ってあった張り紙を全然認識してなくてちょっと呆れました。大丈夫なのかこの店。私は駄目だと思う。
 この店は私の彼氏が木曜から誘ってくれていたのですが、お前誘うなら予約ぐらいしとけよと、まあこの調子なら他の女にうつつを抜かしてもまず相手にされないだろうから安心だなと思ったわけです。予約の電話をしたとしても断られていただろうからそこで食べられなかったのは別に良くて、でもお腹は空いたので赤羽駅の近くのちゃんこ屋へ行きました。
 お酒・旬菜・ちゃんこ ぼんですです。ここは赤羽駅の正面にある1番街という商店街の中にあって非常に便のいいお店です。どちらかというと、常連客メインの庶民派なお店でした。2階席に上がったら、ご予約席ばっかりで、後から案内されてきたお客さんが、「あらーいっぱいでしたすみません」と言われて下へ降りて行っていました。うーん、大丈夫かこの店も。大丈夫かと言えば、席の隣に「厠」と書かれたドアがあるのに「トイレどこかな」と言ってキョロキョロしていた彼氏の国語力も心配です。読めなかったらしい。
 ちゃんこはみそ味としょうゆ味と2種類あり、一人前が880円と安く、ついうっかり麦焼酎のお湯割りなんぞを頼んでしまっても、やたらとちゃんこが出てくるまでに時間がかかって待ちきれずに鯵のたたきを頼んでしまっても、ふたりで3000円くらいでした。
 いやもうほんとに料理が出てくるまでが長くて長くて長くて。近くの席にいたタクシー運転手と思われる4人組のおっさんたちは、お酒もつまみもなくわいわいお喋りしながら過ごしていましたが、私と彼は普段特に会話が無いので、あーお腹すいたとそればっかりでした。
 ただ、味はじゅうぶんでした。たぶん、量もじゅうぶんだったのでしょう。彼は満腹になったし暑くてたまらんと、飲んでもない(車だから)のにひとりで暑がっていました。私は猫舌なので冷まして食べますし、だから先に彼がたくさん食べてしまったのだと思います。最後に「うどんか雑炊にしますか」と訊かれ、うどんを一人前だけ頼みましたが、もう食えないと言いながら冷ましながら食べる私より彼は食べていたようです。それで、私のことを大食いだと言うのだから納得いきません。最後雑炊にしますかは断ったし。

 帰宅してからシュークリーム食べましたけど。
 赤羽駅にあるCheese Cake Factoryで買って帰りました。一個250円もするの。庶民の私には仰け反る価格です。ここが、母の生まれ育った赤羽でなければ買いません。チーズがこってりしていて美味しかったのですが、8割くらいのお値段になりませんかね。

 なんかぐだぐだになってきたので終わりにします。何が言いたかったのかというと、冬は鍋焼きうどんを食べられて嬉しい季節だよねって。私は夏でも冬でも鍋焼きうどんだけど、世間はどうも違うみたいで、夏はなかなかありつけないため、不満が募る季節なのです。11月から3月末までってお店が多いですね。通年やってくれよ、ジャストインタイムだよ。違うか。

 あー、でもまた行くかどうかは迷うところです。味も値段も問題なく、料理が出てくるのは遅いけれど店員さんは感じ良かったし、気に入ったのは気に入ったのですけど、禁煙じゃないんですよ。横浜にいると、飲食店でも禁煙なのはもう当たり前になっていて、分煙ですらないというのはもう、100円札……は言いすぎか、NATOってまだあったのかもうとっくに目的を見失って無効になったと思ってたのに、というくらいの状況です。いやほんとこないだNATOの集まりをやっているというニュースを見て、どこを敵国設定してるのよ意味不明だなおい、とびっくらこいたのです。
 それはさておき、郷に入っては郷に従えというわけで、その対偶は真、郷に従わないなら郷に入らなきゃ良いわけです。だからまた行くかどうかは分からないですね。美味しかったですけど。
 2010.12.05追記
2010.12.05 Sunday 17:16 | - | - | -