民主化された国ってすごいなあ、と近頃のエジプトとかリビアとか中国とかの話を聞くと思うのです。今朝、阿久根市で議会のリコールが成立したニュースをラジオで聞いて、しみじみ思いました。
強引な首長や議会から権力を奪うために、阿久根市は武力や暴力を使わず市民の権利を使っています。独善的な首長を合法的にその椅子から下ろし、その首長と揉めていた(という表現は変だけど)議会を解散させました。そして以前の首長と議員を選んだのと同じ民主的な手段で、新たな首長と議会を選ぼうとしているのです。
混乱はいつまで続くのか、という心配もあります。何年も前から喫緊の事案が進まないという弊害もあるでしょう。会議は踊ったままで、前市長の竹原氏はYouTubeであれこれやったりしています。しかし、彼も選挙で負けたからと言って暴力に訴えはしないし、法に従ってとりあえずは退陣しました。失職した議員たちも選挙に向けて動き出しており、民主主義のルールは守られています。あれだけ大騒ぎをしていても、無法地帯にはなっていないのです。
正直なところ、実弾が飛んでないとは思わないし、選管がどのくらいしっかり仕事しているのかもあんまり信用していませんが、阿久根市民は実に主体的に行動していて、次の選挙がどうなるにしろ、無関心な他の自治体よりよほど将来的には良い方向へ向かうのではないでしょうか。暴力なんて使わなくても、政治は変えることが出来るのだと実践しているように見えます。
民主主義は万能ではありません。少数意見を見捨てて良いわけないし、多数派の意見が正しいとも限らないし、ほんとにぴったり半々だったらどうすりゃ良いのか分かりません。しかし、暴力は使わず、出来る限り話し合いで、そして多数の意見を採用して解決しましょうという、一貫したルールに則って政治が行われていることを嬉しく思います。グズグズ言っている国会議員もなんでグズグズしているかというと次の選挙で負けそうだから、つまり、選挙なんか知ったこっちゃねーやバーカバーカ! 一旦権力の座についたら独裁政権だもんね! 死ぬまで牛耳るもんね! 私設軍隊用意したもんね! という手段をとるつもりは無いのでしょう。政権を私物化しているなんて言われている彼らも、民主主義を覆そうとまではしていないのです。
私は民主主義の国でしか生活していないし、それで不自由していないので民主主義を支持しています。実はもっと良い方法があるのかもしれません。それでも、今現在世界中で独裁だのテロだの当局による規制だのとニュースを見ると、暴力に訴えたり権力を振りかざすよりは、金で解決しているほうが下品だけどマシだよなあと思うのです。
そりゃクリーンな政治のほうが良いに決まっていますが、「数の論理」にしたって民主主義から逃れられないんだし。とにかく、最低限は堅持されているところが律儀です。
全然関係ない話ですが、昨日、自室で昼寝をしていたら、階下から父が大声で怒鳴ってきました。
「おねえちゃあん! お姉ちゃんの買って来たパウンドケーキ食べていい? お腹空いた!」
何度も何度も怒鳴るので、寝ぼけながら「いいよ〜」と返事したら、弟と二人で食べてました。
つーか、なんなの? 娘の買って来たパウンドケーキを食べたいからって、怒鳴るか? しかも「おねえちゃんっ!」って。60間近のおっさんが。親だからお願いモードでお伺いをたてに来いとは言わないし、別に食べても良いけども、なんで私が怒鳴られなきゃならないの?
寝ぼけていたし、休みだからってのんきに昼寝しているのが気に食わなかったのかと思ったら、本当に単純にパウンドケーキが食べたかったらしいです。もう、なんなの。
だんだん腹が立って来たので、次回私を「おねえちゃああん!」なんて呼び始めたら動画を撮って青森の、毎日雪かきをしていてイラついている(本人談)父の実姉に送りつけてやろうかと思いました。そろばんで殴られれば良い。50年前みたいに。